ヤマップと愛媛県が包括連携協定 山岳遭難救助をDX

登山地図GPSアプリ「YAMAP(ヤマップ)」を運営するヤマップは2022年6月30日、愛媛県と包括連携協定を締結したと発表した。愛媛県の山の安全および山域の保護と活用をテクノロジーで推進することが狙いで、遭難者救助を迅速に行うためのアプリの普及や、捜索隊員の二次災害を防ぐシステムの提供を行う。

警察庁の発表によれば2021年の山岳遭難は3075人となり、3年ぶりに3000人を突破。愛媛県でも16件20人の遭難が発生した。従来の遭難救助では、遭難者の登山計画や車ナンバー、登山届をもとに警察が捜査していたが、登山届等が未提出のケースなどもあり、捜索の初動段階で相当な時間がかかる場合もあったという。

登山地図GPSアプリ「YAMAP」は電波の届かない山の中でも遭難者の最新の位置情報を把握することができるため、まずは愛媛県と連携してYAMAPの使用を促進するなど、登山者へ啓発活動に取り組む。また、捜索隊員の二次災害を防ぐために、「捜索隊員トラッキングシステム」を愛媛県内に所在する14の消防機関にも提供する。

自然の保護と活用に関しては、登山者がYAMAPに投稿する写真を活用して山岳の生態系を保護するなど、ヤマップの持つテクノロジーと愛媛県の持つ自然環境資産を組み合わせた施策を推し進める予定だ。

ヤマップ愛媛県2206

愛媛県庁で行われた協定締結式の模様。ヤマップ新規事業戦略本部長木村彰宏氏(左)、愛媛県知事中村時広氏(右)