観光庁の2025年度概算要求、約628億円 持続可能性や地方へのインバウンドなど支援

【目次】

  1. 一般財源は2024年度比で1.5倍の約150億円
  2. 持続可能な観光地域づくり
     2-1 オーバーツーリズム未然防止に14億円など
     2-2 新規で「観光産業再生促進事業」を要求
     2-3 それ以外の「持続可能な観光地域づくり」の支援事業
  3. 地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組
     3-1 大阪・関西万博を中心とした訪日プロモーションに55億円
     3-2 地方部において消費税免税店モデル構築へ
     3-3 それ以外の「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組」の支援事業
  4. 国内交流拡大
     4-1 国内交流の拡大に向け、新たな交流拠点の創出、ユニバーサルツーリズムを推進
  5. 国際観光旅客税を活用したより高次元な観光施策の展開
  6. 東日本大震災からの復興(復興枠)

一般財源は2024年度比で1.5倍の約150億円

観光庁は8月27日、令和7年度(2025年度)の予算の概算要求額をまとめ、公表した。

総額は2024年度予算比約1.2倍の約628億円。一般財源は2024年度予算比1.5倍の約150億円となった。また、国際観光旅客税を活用した高次元な観光施策の展開として、1.17倍となる約470億円を要求した。これ以外に東日本大震災からの復興として、前年の2024年度と同じ7.65億円を求めた。

同庁は観光戦略として、次の3つの戦略を総合的に推進している。

  • 持続可能な観光地域づくり
  • 地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組
  • 国内交流拡大

各戦略における2025年度の増額した予算や新たな施策のポイントについて以下で説明する。

持続可能な観光地域づくり

オーバーツーリズム未然防止に14億円など

オーバーツーリズムの未然防止・抑制、地域資源の保全・活用に向けた受入環境整備などを支援する「地域における受入環境整備促進事業」に14.4億円、採用活動などの足下の対策から、機械化・DX化推進のための設備投資支援などの短期的な対策、経営の高度化などの中長期的な対策まで、宿泊業のあらゆるフェーズにおける人手不足対策を総合的に実施する「観光地・観光産業における人材不足対策事業」に3億円、多様な観光地が将来にわたり「選ばれ続ける観光地」となることを目的に、観光計画策定支援・モデル実証を実施する「持続可能な観光推進モデル事業」に1.5億円を充てる。

新規で「観光産業再生促進事業」を要求

2025年度は、新規の取り組みとして、「観光産業再生促進事業」で3億円を要求した。

宿泊業は、コロナ禍で増加した債務の返済に行き詰まり、今後、倒産・廃業に至る宿泊事業者が増加する恐れがある。同事業では、債務を抱えつつも再生能力があると見込まれる宿泊事業者に対し、宿泊業における経営能力を強化する観点から事業再生を後押しする。

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