中小企業庁 創業政策の新たな方向性を提示、成長類型別支援などを柱に

経済産業省中小企業庁は2026年4月21日、「地域の持続的成長に向けた創業政策のあり方検討会」の取りまとめ報告書を公表した。人口減少と労働供給制約が進む中、創業数の量的拡大だけでは地域経済の供給力を維持できないとの問題意識のもと、創業段階から事業の質・成長力を高める視点を打ち出した。

報告書ではまず、日本の開業率が米英の10%超に対し直近で3.8%にとどまり、起業無関心者の割合も75.8%と諸外国を大きく上回る現状を指摘。創業者数も2020年の約11.6万者から2024年は約8.9万者へと、減少傾向にあるとした。

この状況を変えるための具体的施策は4本柱で構成される。第一に、創業機運の醸成として、創業しやすい良質な「土壌」づくりを推進する(表参照)。コーディネーター人材の育成や、起業家教育の全国展開を図る。

第二に、創業者のリテラシー向上と人手不足・資金確保への対応として、創業塾のオンラインコンテンツ整備やAI・デジタル技術活用の講義追加、持続化補助金(創業型)の創業時からの活用を可能にする見直しを行う。第三に、創業後5年程度までの「創業期」における成長支援を強化し、地域金融機関を含めた伴走支援体制を構築する。第四に、創業者自身や自治体・支援機関等の支援者に向けた「創業ガイドライン(仮称)」を策定し、支援施策の周知徹底とワンストップでの提供を進める。

今回の取りまとめでは、より適切な支援を可能にするために、創業者を成長志向や事業特性に応じて5つに類型化している。地域生活を支える①地域コミュニティ型、地域資源を活用する②地域資源型、社会課題解決を目指す③地域課題解決型、地域経済の核となる④事業拡大型、急成長を志向する⑤スタートアップ型である。創業支援の大枠は共通としつつ、創業塾の内容や伴走支援の頻度など「支援の質」を類型ごとに最適化する方針を示した。

また、政策評価指標も刷新する。従来の「開業率」単独から、①創業期における成長(付加価値額等)、②創業者数の増加(年10万者を目指す)、③創業エコシステムの構築推進(人口1万人あたり創業者数7.8人/年を達成する地域を今後5年で倍増の約60地域に)の3指標を組み合わせ、毎年度末に創業政策の評価を行う。中小企業庁は今後、この報告書を踏まえ、具体的な創業支援施策を進めていく。