近畿圏の中古住宅、取引足踏み 売り出し価格と実需の乖離が鮮明に
近畿圏の中古住宅市場で取引が足踏み状態にある。公益社団法人近畿圏不動産流通機構が2026年4月20日に発表した「近畿圏不動産流通市場の動向について(2026年1~3月期)」によると、中古マンションの成約件数は5,469件となり、前年同期比で0.3%減少した。10期ぶりにマイナスへ転じた背景には、売り出し価格の上昇と実需との乖離がある。
公益社団法人近畿圏不動産流通機構公式プレスリリースより
中古マンションの平均成約価格は3,206万円で、前年同期比1.8%上昇した。上昇は3期連続となる。地域別では大阪市が2015年10~12月期から42期連続で上昇するなど、都市部を中心に高値圏を維持している。一方で新規登録価格は3,630万円と前年同期比で20.8%も跳ね上がり、成約価格との差が広がった。京都市が11期ぶり、滋賀県が7期ぶりに成約件数を減らしており、買い手の慎重な姿勢が鮮明になっている。
中古戸建住宅は成約件数が3,620件と前年同期比0.9%増加し、2023年1~3月期から13期連続のプラスを記録した。大阪府の北摂地域(11期連続)や泉南・南河内地域(13期連続)での取引が堅調だった。しかし、平均成約価格は2,389万円で前年同期比0.5%下落した。阪神間や泉南・南河内地域など12地域中6地域で成約価格が低下しており、マンション市場に比べて価格面での弱含みが目立つ。
今後の市場環境には不透明感が漂う。中東情勢の緊迫化に伴う原油高やナフサ等の供給制約は、住設機器の価格押し上げ要因となる。これがリフォーム費用や買取再販物件の価格に波及し、中古住宅市場を一段と圧迫する恐れがある。インフレの進行や利上げへの警戒感から、住宅ローン金利も固定型・変動型とも上昇基調にある。売り出し価格の上値追いが限界を迎えつつあるなか、需要に見合った適正な価格設定が取引成立の鍵を握る。