日本管財、埼玉県本庄市と包括施設管理で覚書 101施設の保守・修繕を一元管理へ

日本管財ホールディングス株式会社のグループ会社である日本管財株式会社は、埼玉県本庄市と「本庄市包括施設管理業務委託に係る覚書」を締結した。市が所有する公共施設の保守・修繕などの管理業務を一括して引き受けるもので、業務期間は2027年4月1日から2032年3月31日までの5年間。現在、2027年4月の業務開始に向けて市との協議を進めている。

管理の対象となるのは、市庁舎や保育所、小・中学校、集会施設など計101施設にのぼる。業務内容は、建物付帯設備の保守点検、清掃などの保守管理、修繕管理、各種点検業務と幅広い。これらを施設ごと・業務ごとに個別に扱うのではなく、まとめて一つの契約で担う点が特徴となる。

公共施設包括管理とは、自治体が施設の所管課ごとに個別に発注してきた保守点検や修繕などの業務を一本化し、民間事業者へ包括的に委託する仕組みである。日本管財は、契約・支払い手続きや保守点検の履行管理といった従来は地方公共団体が担ってきた業務に加え、施設の巡回点検や不具合状況の把握、修繕事業者との調整、施設全体を俯瞰した修繕の設定などの付加業務も担う。市の各所管課が施設ごとにばらばらに管理してきた体制を、日本管財を窓口とする一元的な管理へと切り替える形だ。

覚書締結の背景には、公共施設の老朽化と自治体の担い手不足がある。本庄市では公共施設の半数近くが建築から40年以上を経過し、老朽化への対応が課題となっていた。加えて、人口減少に伴う税収の減少、人口変化に伴う施設の利用需要の変化、施設管理を担う技術系職員の減少なども重なり、従来の管理手法の見直しが求められていた。市は2025年11月の市場調査、2026年3月の事業者向け説明会を経て、同年5月から8月にかけて提案内容を競う公募型プロポーザルを実施。3者の応募の中から、業務実績や市内事業者との協力体制、独自のノウハウなどが評価され、日本管財が優先交渉権者に選定された。

一元管理への移行により、市は複数の施設を横断的にマネジメントして点検・修繕の品質を全施設で高められるほか、窓口の一本化で発注・契約事務を削減し、職員が企画業務に注力できるようになる。また、巡回点検による不具合の早期発見で事後対応を減らす予防保全や、施設台帳・修繕履歴のデジタルでの一元管理による情報共有も進むと見込まれる。

日本管財は、PFI(民間資金を活用した公共施設の整備・運営手法)や指定管理者制度、公共施設包括管理といった官民連携事業で実績を重ねてきた。1965年設立の同社は国内外で建物管理運営事業を展開し、2023年には持株会社として日本管財ホールディングスを設立している。本業務では仕様書で地元事業者の活用が求められており、点検業務の一部はメーカーや市内の事業者が担う想定だ。

公共施設の老朽化と担い手不足が各地で進むなか、個別発注から包括管理への移行は、自治体運営の効率化と公共施設の長寿命化を支える選択肢の一つとなりそうだ。