イー・ガーディアン、芸能事務所向け「誹謗中傷AI監視ソリューション」ベータ版を提供開始
投稿監視などを手がけるイー・ガーディアン株式会社は2026年10月21日、芸能事務所やタレント・クリエイター事務所に向けた「誹謗中傷AI監視ソリューション」のベータ版の提供と、先行導入企業の募集を開始した。SNSや掲示板、口コミサイト、転売サイトなどを横断し、所属タレントに関する誹謗中傷や危険投稿をAIが24時間365日収集するもので、同社が2026年9月18日に発表した5つのAI監視ソリューションのうち、芸能領域の誹謗中傷監視にあたる。
開発・提供の背景には、SNS上で所属タレントが直面するリスクの多様化がある。誹謗中傷や虚偽情報に加え、脅迫、個人情報の拡散、なりすまし、チケットの高額転売、生成AIによる不適切なコンテンツなどが生じている。一方で、ホットラインやダイレクトメッセージ、問い合わせフォームといった従来の通報窓口は第三者からの情報提供を前提とするため、まだ通報されていない投稿や、拡散前の兆候を捉えにくい。担当者が常時検索する方法も工数と網羅性の両面で限界があり、検知した後も投稿や通報の整理、対応要否の判断、証拠保全、削除要請、弁護士や警察への相談といった作業が続く。関連する情報がメールや表計算ファイルに分散すれば、対応漏れや遅れにつながりかねない。こうした現場の負担を解消し、迅速なリスク対応と、担当者がタレントの活動支援というコア業務に集中できる環境づくりを目指す。
システムの特徴は大きく4点ある。1点目は横断的な網羅収集で、所属タレント名やグループ名、愛称、出演イベントなどを基に、各種SNS・掲示板・口コミサイト・転売サイトをAIが24時間365日収集する。過去にリスク投稿があった公開アカウントの動向も注視し、タレント名を含まない投稿や拡散前の兆候も検知する。公演・イベント期間中は会場名や日程を条件に加えて監視を強化し、1社あたり月数十万件規模の関連投稿から対応の要否を判定する。2点目は通報の一元集約で、検知した投稿と、公式SNSのDMやホットライン、問い合わせフォーム、社内報告による通報を一覧化し、同一事象をまとめてリスクの種類や優先度を付与する。3点目はAIスコアリングと専門オペレーターによる判定で、事務所と合意した基準でAIがスコアリングしたうえで、画像・動画は専門オペレーターが目視も組み合わせ、自宅などの場所を特定する投稿や、生成AIで加工された画像の見落としを防ぐ。4点目は証拠保全から対応管理までの一貫対応で、対応が必要な投稿は本文・画像・投稿者のプロフィール・URL・取得日時を証拠として保全し、各プラットフォームへの通報・削除要請に必要な情報を整える。案件ごとに対応内容・結果・次回確認日を記録し、一覧で管理できる。
体制面では、イー・ガーディアンが収集・判定・証拠保全・通報支援・対応管理までをワンストップで担い、事務所には対処すべき案件のみを通知する。高リスクや判断が分かれる投稿は専門オペレーターが確認するため、担当者が全投稿を見る必要はなく、最終判断に集中できる。判定AIには、同社が25年以上の投稿監視で培ったノウハウを学習させている。導入時にはアカウントの初期登録や判定基準の策定、定期的な運用レビューを通じて事務所に伴走する。
本ソリューションは、第三者からの通報を前提とする従来の「通報待ち」型から、常時収集と事前把握に基づく対応への転換を目指すものだ。法整備やプラットフォーム規制の強化が進むなか、脅迫や住所特定など本人の安全に関わる投稿への対応を含め、事務所がタレントの活動支援に専念できる環境づくりが期待される。ベータ版は無料で提供し、検証を経て順次正式提供へ移行する予定だ。