URALAA、東急不動産HDと没入ライブの共創で基本合意 既存の劇場やアリーナを「特等席」に

没入型ライブ配信技術を手がけるURALAA株式会社は10月20日、東急不動産ホールディングス株式会社と、没入ライブエンターテインメントの共創に向けて基本合意を結んだと発表した。URALAAは、一般的な光回線だけで8K解像度のイマーシブ(没入型)映像と立体的な空間音響をライブ伝送する技術を商用化した企業で、2026年9月に「フォレストデジタル株式会社」から商号変更した。専用の大型施設を新設することなく、劇場や映画館、アリーナといった既存の空間をライブの「特等席」に変える点が特長で、距離やチケットの制約にかかわらず、好きなアーティストやスポーツを身近な場所で楽しめる環境づくりを目指す。

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両社は、それぞれの強みを持ち寄って協業する。URALAAは、既存施設を没入空間へと変える映像・音響技術に加え、ライブコンテンツの調達や上映の運営ノウハウを担う。東急不動産ホールディングスは、渋谷駅を中心とする半径約2.5kmの「広域渋谷圏」での街づくりや、商業施設・アリーナの開発・運営の実績を提供する。同社は渋谷サクラステージで没入映像の実証実験を2度行い、映像が街のにぎわいを生む可能性を確認している。両社は、こうした知見を掛け合わせ、(1)音楽アーティストなどのライブを生中継し没入空間で体験できる次期実証実験、(2)広域渋谷圏をはじめとする同社グループの施設・エリアでの事業展開や常設施設の設置、(3)両社の知見を組み合わせた新たな体験の創出――の三つのテーマを検討する。具体的な時期や場所、内容は今後協議のうえ決定するとしている。

今回の取り組みは、国内で遅れてきた没入ライブの普及を後押しする狙いがある。米国ではドーム型スクリーンでスポーツや音楽を生中継する施設が人気を集めるが、日本では専用施設の建設に数百億円規模の投資が必要で、生中継にも専用回線や中継車を要することが参入の壁となってきた。チケットが取れない、遠征できないといった理由でライブ観戦を諦める人も少なくない。既存の街の施設をそのまま活用できるURALAAの技術は、この障壁を下げ、自宅でも現地でもない「第三の特等席」を各地に生み出す可能性がある。両社は音楽やスポーツ、アニメ、海外公演など幅広いジャンルへの応用を想定し、現地に行かなくても一体となって熱狂できる体験を、日本のエンターテインメントの新たなカテゴリーとして広げることを狙う。