リネットジャパン JX金属・佐川と資本業務提携、リサイクル基盤を構築へ
リネットジャパングループは、JX金属グループのJX金属サーキュラーソリューションズ(JX金属CS)と、佐川急便を中核とする純粋持株会社のSGホールディングスを割当先とする第三者割当増資を実施し、両社と資本業務提携を締結すると発表した。使用済の小型家電やパソコン、スマートフォン、リチウムイオン電池(LiB)を内蔵した製品などを企業・家庭から回収し、再資源化・素材化につなげる回収プラットフォームを3社で共同構築する。2026年10月19日に公表した。
リネットジャパンは2014年7月から、小型家電リサイクル法の認定事業者として佐川急便と連携し、宅配便による回収サービスを展開してきた。現在は全国770以上の自治体と連携協定を結ぶほか、メーカーや販売事業者、EC事業者とも連携し、使用済パソコンの回収量は国内最大規模に成長している(月刊事業構想2026年6月号参照)。今回の提携では、この基盤を発展させて回収量・対象品目・利用者・回収チャネルを拡大するとともに、回収した資源を確実に再資源化・素材化へつなげることを目指す。
提携では3社が役割を分担する。リネットジャパンは回収の入口となる「回収ポータル」として、宅配回収の仕組みや自治体ネットワーク、マーケティング・システム基盤を生かし、プラットフォームの企画・構築・運営と回収量の拡大を担う。JX金属CSは、JX金属グループが持つ分析・製錬・精製・素材化の技術や設備を活用し、回収品に含まれる希少金属などの高度な再資源化を進める。SGホールディングスは、全国規模の物流ネットワークと営業基盤、佐川急便と共同で培ってきた宅配便リサイクルのノウハウを生かし、静脈物流の構築・高度化を推進する。
リネットジャパンの黒田武志社長は、回収インフラの整備を日本の循環経済推進における最重要課題の一つに挙げ、両社との連携により回収から再資源化までを一気通貫でつなぐプラットフォームを構築するとコメント。SGホールディングス取締役で佐川急便社長の笹森公彰氏は、荷物を「届ける」物流と資源を「戻す」物流をつなぐことで、国内資源循環の拡大や資源の安定確保、経済安全保障の強化に貢献したいとしている。
日本政府は循環経済への移行を国家戦略と位置付け、関連ビジネスの市場規模を2030年までに80兆円以上へ拡大する目標を掲げている。製造・小売などの動脈産業とリサイクルを担う静脈産業が連携し、製造業が求める品質・量の再生材を供給する「動静脈連携」の推進など、使用済製品の回収・再資源化をめぐる政策的な重要性は一段と高まっている。リネットジャパンでは、循環経済を社会に広げるには再資源化技術の向上だけでなく、その入口となる回収の仕組みが欠かせないとしている。