フィード・ワン、魚粉を使わないウナギ用配合飼料「神威ZERO」を開発

フィード・ワン株式会社は、魚粉を一切使用しないウナギ用配合飼料「神威(カムイ)ZERO」を開発した。現在、養鰻生産者と連携してフィールド試験を進めており、2026年内の発売を予定している。

養殖魚の生産量が世界的に増加する一方、配合飼料の主原料である魚粉は、漁獲状況やエルニーニョ現象などの海洋環境の変化を受け、価格の高騰と供給の不安定化が課題となっている。なかでもウナギ用飼料は、たんぱく質などの栄養供給に加え、飼料を水と練り合わせて与える際の「練り物性」を確保するためにも良質な魚粉が必要とされ、従来は約70%もの魚粉が配合されてきた。魚粉への依存度が高いウナギ用飼料での魚粉削減は難度が高く、同社もこれを「大きな挑戦」と位置づける。安定的で持続可能な養鰻生産に向け、魚粉に頼らない飼料の開発が求められていた。

同社は、これまで段階的に魚粉の使用量を抑えてきた。2016年に魚粉配合率60%の「鰻丸」、2023年には同40%の「エシカル」を発売し、2026年に無魚粉飼料である神威ZEROを開発した。開発にあたっては、まず水産研究所で2026年8月から10月にかけ、1水槽あたり125尾を用いて従来飼料(魚粉70%)とエシカル(同40%)を比較する社内試験を実施した。エシカル区は飼料効率がやや低かったものの、日間摂餌率は従来飼料区と同等以上だった。続いて同年8月から9月には、九州の養鰻生産者の協力のもと、約3万8000尾を約2カ月間飼育するフィールド試験を行い、鰻丸(魚粉60%)と無魚粉飼料を比較した。その結果、成長倍率は両区とも約2倍となり、無魚粉飼料でもウナギが摂餌して成長することを確認した。一方、飼料効率は無魚粉飼料が62.0%、鰻丸が74.9%と下回っており、同社は今後、原料構成や配合設計、製造条件などの検証を通じて飼料効率の改善を進める。

神威ZEROの特徴は、ウナギ用飼料で欠かせないとされてきた魚粉の配合率をゼロにした点にある。栄養面と練り物性の両面で魚粉が必要とされてきたウナギ用飼料において、魚粉を使わずにウナギが摂餌・成長できることを試験段階で確認した。同社は神威ZEROだけでなく、鰻丸やエシカルといった既存の低魚粉飼料も含め、それぞれの飼養環境に応じて魚粉の使用量を段階的に減らす提案を行う方針だ。

魚粉は多くの養殖用飼料に欠かせない原料であり、その使用削減は水産資源への負荷軽減と飼料コストの安定化につながる。無魚粉飼料の実用化は、価格や供給の変動に左右されにくい養殖生産体制の構築に向けた取り組みとして位置づけられる。