長瀬産業 神戸ポートアイランドにバイオ研究拠点を新設

長瀬産業(月刊事業構想2022年4月号参照)は、グループのバイオの基盤研究の拠点であるナガセバイオイノベーションセンター(NBIC)と、長瀬産業の100%子会社の林原の基盤研究機能を統合した新研究所を建設する。2024年1月18日に発表した。新研究所は神戸市ポートアイランドの神戸医療産業都市内に建設し、開設は2027年4月以降となる。

NBICと林原の基盤研究機能の統合により新素材を創出する力を最大限に高め、新たな価値を提供することを目指す。テーマ探索から菌株の育種・改良方法の検討、物性や機能性の初期評価、小規模の生産スケールアップなどに取り組んでいく。グループ内のリソースでは事業化が困難なシーズは、パートナー企業と積極的に連携することも視野に入れる。

NBICの強みは、微生物を利用した物質生産分野での先端技術と独自の放線菌技術プラットフォームを保有していること。2020年には、世界に先駆けてキノコ類に含まれる希少アミノ酸「エルゴチオネイン」の量産化に成功、2024年度の発売を目指している。一方、林原の基盤研究部の強みは、微生物・酵素を様々な原料と掛け合わせ、トレハロースなどに代表される多種多様な機能性糖質を開発・量産化する技術を持つことだ。新規酵素の探索技術およびそれら酵素を用いた酵素反応による物質変換を得意としている。

NAGASEグループでは、中期経営計画ACE2.0の成長戦略の1つとして研究開発機能を活用したバイオ分野での素材開発、新規事業の立ち上げを推進。将来の収益の柱とすることを目指している。

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