東洋エンジニアリング株式会社、SLB OneSubsea社と海洋CCS領域でMOU締結 日本・東南アジアでの協業へ

東洋エンジニアリング株式会社(以下、TOYO)は、SLB OneSubsea社(以下、OneSubsea社)と、海洋CCS(CO₂の海底下貯留)における協業機会の検討を目的とした覚書(MOU)を締結した。主に日本および東南アジア地域における海洋CCSプロジェクトを対象に、最適で実現性の高いシステム提案の実現を目指す。

海洋CCSとは、工場などで回収したCO₂を海底の地層に長期的・安定的に貯留する技術だ。カーボンニュートラル実現に向けた有効な手段として注目されているが、CO₂を長期的に安全に貯留できる地層の多くは海底に分布しており、地上設備と海底設備を統合した総合的なアプローチが不可欠だ。加えて、商用規模での海洋CCSには、CO₂の安全な輸送・圧入や海中設備の運転・保守など、陸上のCCSとは異なる技術課題が存在する。

MOUに基づく協業の主な内容は、海洋CCS領域における協業機会の探索とマーケティング戦略の共同検討、および全体最適なシステム設計の共同検討の2点だ。体制面では、両社がそれぞれの専門領域の強みを持ち寄る形で役割を分担する。1961年創立の総合エンジニアリング会社であるTOYOは、CCSバリューチェーン全体(CO₂分離・回収、輸送、貯留)の最適化と地上設備のエンジニアリングを担う。一方、SLB、Aker Solutions、Subsea7の3社がノルウェーおよびアメリカに設立した海底設備分野のリーディングカンパニー、OneSubsea社は、海底生産・処理システムをはじめとする海底技術において世界的な実績を持ち、海底側の設備設計・提案を担う。まず日本と東南アジアを中心に多様なCCSプロジェクトを対象として、顧客のCO₂輸送・圧入・貯蔵に関する技術的課題を解決する提案活動を進めていく。

CCSは脱炭素に向けた現実的な手段として世界各地で導入・計画が進む一方、商用規模での海洋CCSは技術的難度が高く、地上から海底まで一貫したエンジニアリング能力を持つ体制の構築が課題となっている。TOYOの地上設備エンジニアリング力とOneSubsea社の海底技術を組み合わせることで、単独では対応しにくかった統合的なシステム提案が可能になる。日本と東南アジアではCCS推進に向けた政策や投資が活発化しており、両社の連携がこの地域における海洋CCS事業化を後押しする役割を担うことが期待される。