トポロジカル物質の社会実装を目指すTopoLogic 7億円を資金調達

トポロジカル物質の社会実装を目指すスタートアップ、TopoLogic(東京都文京区)は2024年2月29日、SBIインベストメント、東京大学協創プラットフォーム開発、大和企業投資、科学技術振興機構、アイティーファーム、JMTCキャピタル、Plug and Play Japanを引受先とした第三者割当増資により、7億円の資金調達を実施したと発表した。これにより、累計調達金額は8.3億円となった。

トポロジカル物質とは、これまでの物質とは全く異なる電子バンド構造を持ち、従来の代表的な物質である絶縁体・導体(金属)・半導体には見られない現象を起こす物質のこと。2016 年には、「トポロジカル相転移および物質のトポロジカル相の理論的発見」の業績で、3名の研究者がノーベル物理学賞を受賞している。同物質を用いれば、従来の物質では成し得なかったレベルの高度な「エネルギーの可視化」「省エネルギー化」を推進でき、エネルギー問題の解決にもつながると期待されている。

TopoLogicは現在、トポロジカル物質を用いた新たなメモリ「TL-RA」の開発に着手しており、今回の調達資金は、2025年末を目処としたプロトタイプチップの設計・開発・実証に主に使用される。また、同社は現在、幅広い企業と協働で熱流束センサ「TL-SENSING」のPoC(技術検証)を実施しており、今後は熱流束センサの実用化に向け、具体的なプロダクト・システムの開発と上市を目指していくとしている。


「TL-RAM」。従来の製品と比較し、「10分の1以下の低消費電力」「2桁速い超高速書き込み」「低消費電力化による高集積化」という3つの強みを持つMRAM(磁気メモリ)

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