KDDI、KDDI総研、東京医科歯科大 「サイバー精神医学講座」を開設

KDDIとKDDI総合研究所、東京医科歯科大学は2023年10月1日、スマホ・ネット依存やゲーム行動症の改善に向けた研究開発を進める「サイバー精神医学講座」を開設した。東京医科⻭科大学内の「ジョイントリサーチ講座」制度の一環であり、研究の進展および充実を図ることを目的にしている。スマホ・ネット依存、ゲーム行動症についての実態解明、診断や治療などをデジタル化するプログラム医療機器の検証を行い、将来の実用化を目指す。

スマホ・ネット依存やゲーム行動症は、スマートフォン・インターネット、ゲームの長時間利用により日常生活に支障をきたしているにも関わらず、使う時間や方法を自分でコントロールできない状態を指す。スマホ・ネット依存は疾患として公式に認定されていないが、ゲーム行動症は2022年1月にWHOが発行した「ICD-11(国際疾病分類の第11回改訂版)」で疾患として正式に認定されている。なお、有効な治療方針はまだ確立されていない。 

KDDIとKDDI総合研究所は、2016年からスマホ依存に関する調査・研究を行ってきた。また、東京医科歯科大学は2019年度にネット依存の専門外来を立ち上げ、ゲーム行動症の方を中心に入院治療、外来治療、当事者プログラム、家族支援プログラムなどネット依存の診療に取り組んできた。このような背景から、3者は2020年から共同研究を開始し、ゲーム行動症患者の診断や治療用アプリの実用化を目指し臨床研究などを進めてきた。 

東京医科歯科大学 精神科 高橋英彦主任教授は「これまでも KDDI、KDDI総合研究所とは共同研究を行い、研究用アプリでスマートフォンの利用状況のログを記録し、人工知能技術を用いた解析により、通常の聞き取りではわからなかったゲーム行動症の増悪や回復のパターンなども明らかになりつつある。これらの成果をさらに発展させ、より汎用性の高い診断法や治療法開発を目指したい。」と述べる。

デジタルヘルスイメージ 

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