『KASHIYAMA』、2025年度の売上高は82億円 リアル店舗の出店拡大と女性・若年層の新規顧客獲得が寄与

株式会社オンワードパーソナルスタイルが展開するオーダーメイドブランド『KASHIYAMA』は、2025年度(2025年3月~2026年2月)の売上高が前年比133%の82億円となったと発表した。設立以来最高の売上高で、2年連続の二桁増となる。

成長に寄与したのは、リアル店舗の出店拡大、女性顧客の獲得、若年層の取り込みの3点である。リアル店舗売上高は前年比146%となった。2024年10月に開始したライフスタイル一体型の新業態「カシヤマ」によるショッピングセンター(S・C)への出店を進めたことが背景にある。従来の路面店中心の展開から郊外型S・Cへ軸足を広げるにあたり、屋号を「KASHIYAMA」からカタカナの「カシヤマ」に切り替えた。

新規顧客数は前年比154%。女性の新規顧客数は同142%で、これまで男性中心とされてきたオーダースーツの利用が女性にも広がってきていることが示された。2024年10月から始めた「CLASSY.」「VERY」「STORY」など女性誌とのタイアップや、ウィメンズラインの強化が一因と同社はみる。若年層では、学割キャンペーン、YouTubeチャンネル「BE SUITS!!」の開設、SNS施策により、10代の新規顧客数が前年比約3倍、20代が同136%となった。

『KASHIYAMA』は2017年10月にオーダーメイドスーツの販売を開始したブランドで、価格は税込33,000円から。CAD・CAMを導入した大連の自社グループ工場から顧客に直接届けるファクトリー・トゥ・カスタマー(F2C)方式により、最短1週間での納品に対応する。全国70以上の店舗に加え、自宅やオフィスへの出張採寸、2着目以降のオンラインオーダーも行う。百貨店チャネルでは、名門テーラー「Henry Poole」などとのライセンス契約に基づく「KASHIYAMA PREMIUM」MENを全国26店舗で展開。ウィメンズでは伊勢丹新宿店ファインクローズと共創したプレミアムラインを手掛けている。

同ブランドは「オーダースーツの民主化」を掲げ、2030年度に売上高250億円規模を目標とする。今後はS・Cへの出店を成長ドライバーと位置づけて拡大を続けるとともに、デジタル技術を活用した生産体制の整備を国内外で進める。店舗とECを連携させ、オンライン・オフラインを融合した購買体験の提供で顧客満足度の向上を図る。既製品が主流のスーツ市場において、価格と納期の面でオーダーメイドの間口を広げる取り組みが、女性や若年層といった新たな顧客層に浸透しつつあることを示す決算となった。