ANAとIHGが提携を戦略深化、国際線拡大と日本ホテル事業で相乗効果狙う
全日本空輸(ANA)とIHGホテルズ&リゾーツは2026年4月22日、航空とホテルの垣根を越えた「包括的ロイヤルティ・パートナーシップ」を締結したと発表した。約20年にわたる両社の協業関係を戦略提携へと引き上げ、双方の顧客基盤とブランド力を掛け合わせることで、国際線旅客事業と日本ホテル市場の双方で相乗効果を狙う。
(左より)IHG チーフ・コマーシャル&マーケティング・オフィサー ヘザー・バルズリー氏、ANA 取締役執行役員 大前圭司氏
ANAは中期経営戦略において国際線旅客事業を成長の柱に位置付けており、世界100カ国以上・7000軒超のホテルポートフォリオを有するIHGとの連携深化は、海外市場でのプレゼンス確立に直結する。ANA取締役執行役員の大前圭司氏は「両社の強みを掛け合わせ、航空とホテルの垣根を超えた新たな旅の価値を提供し、事業の拡充を加速する」と述べ、国際線の商品競争力強化と海外顧客獲得を加速させる方針を示した。
一方のIHGにとっても、日本は最重要成長市場の一つだ。国内で開業中および開発中のホテルは80軒超にのぼり、開業中ホテルの半数がANAとの共同ブランドで運営されるなど、両社の関係はIHGの日本戦略の中核を成す。チーフ・コマーシャル&マーケティング・オフィサーのヘザー・バルズリー氏は、今回の提携を通じてロイヤリティ会員価値の向上、直接予約の拡大、自社ホテルへの選好性向上、さらにはホテルオーナーへの長期的な価値創出につなげる方針を打ち出した。
具体的施策は2026年10月以降、ANAマイレージクラブとIHGワンリワーズの両会員向けに順次展開する。上級会員への「ステイタスマッチ」、海外発ANA国際線搭乗時のマイルとポイントを同時獲得できる「ダブルディップ」、両プログラム間のポイント双方向交換を実装する。IHGワンリワーズの全世界1億6000万人超の会員基盤とANAの顧客層をシームレスに結ぶことで、両社は競争が激化する航空・ホテル市場で優位を築く構えだ。