吉銘と飛騨五木 小水力発電事業で連携し新会社設立

奈良県で建築資材のトータルサプライヤーとして創業70年の歴史を持つ吉銘グループ(奈良県吉野郡)と東海圏を中心に林業や製材・建設業・地域商社・エネルギー事業を展開する飛騨五木グループ(岐阜県高山市)は2023年2月20日、脱炭素社会の実現を推進していくために小水力発電所の適地調査や電源開発を進める新会社、近畿小水力発電(奈良県吉野郡)を設立したと発表した。 

小水力発電所開発には地域に根付いた事業運営や関係性が重要なため、近畿小水力発電では、近畿圏を中心に事業を展開する吉銘グループのネットワークと、飛騨五木グループが持つ全国各所での小水力発電所の開発ノウハウを掛け合わせて事業を行う。今後はまず、奈良県・和歌山県を中心にした近畿地方一円(兵庫県・滋賀県・京都府など)と、その周辺県(鳥取県・福井県・岡山県等)において、各地域の自治体やステークホルダーと連携の上、小水力開発の検討を進めていく。

両社はともに森林・木材にルーツを持っており、吉銘グループでは無垢材の弱点を克服するエンジニアウッドの開発、飛騨五木グループでは林業の6次産業化を目指して木材のカスケード利用などにこれまで取り組んできた。一方で世界的な脱炭素の流れはさらなる高まりを見せており、山が自然資本として持つエネルギー資源を掘り起こすことで山の価値向上に寄与したいという両社の思いが一致し、今回の新会社設立に至った。

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左より、飛騨五木グループの井上工務店代表取締役 井上正博氏、吉銘代表取締役/近畿小水力発電代表取締役 貝本隆三氏