東京システムハウス、自治体向け防災アプリ「じぶんBOUS-AI」の提供を開始 LINE活用で日常的な防災意識定着

独立系IT企業の東京システムハウス株式会社は、2026年6月3日より自治体向けの防災教育・訓練アプリ「じぶんBOUS-AI」の提供を開始した。本アプリは住民が日常的に利用するLINE上で動作するため、新たな専用アプリのインストールを必要としない。これにより、高齢者やIT機器の操作に不慣れな層でも手軽にアクセスできる環境を整えている。

開発の背景には、近年の自治体における防災対策のデジタル化進行がある。その一方で住民向けの防災教育や避難訓練などは依然としてアナログ手法が中心であり、参加率や実効性の向上が課題となっていた。さらに、政府が2026年11月頃の発足を目指す防災庁の存在も影響している。同庁は「徹底した事前防災」と「発災時の対応から復旧・復興までの一貫した災害対応」の司令塔とされるため、今後は事前防災への取り組みがさらに重要視される見込みだ。同社はこうした状況を踏まえ、日常生活の中で無理なく防災意識と行動を定着させる仕組みの構築に至った。

最大の特徴は、防災を日常生活の一部として捉える「フェーズフリー」の設計思想を取り入れた点にある。アプリ内には避難訓練や防災クイズ、AIチャットといった防災知識を深める機能だけでなく、歩行記録やAIによる健康アドバイスなど平常時にも役立つコンテンツを搭載した。また、訓練への参加や日々の歩行に応じてポイントが付与される「ポイ活」要素を導入しており、貯まったポイントはQUOカードPayなどに交換できる仕組みを設けて継続的な利用を促す。

自治体側はハザードマップに基づいた避難所の設定や、防災情報に加え消防・防犯・注意喚起などの情報配信が可能だ。住民の利用状況を通じて防災意識や行動傾向を可視化できるため、蓄積されたデータを今後の防災施策の高度化へ活用することも期待されている。

同社は今後、自治体ごとの防災計画や地域特性に合わせた機能拡張を進める方針を示した。さらに企業や学校、地域コミュニティなどへの展開も視野に入れ、平常時から誰もが無理なく防災に触れられる環境づくりを推進していく構えだ。

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