日本海洋重工業、無人アセットコンソーシアム「RISE」に参画 UAV・USV群制御の協調運用モデル構築へ

「持続可能な無人防衛の実現」をミッションに掲げ、USV(無人水上艇)・UUV(無人潜水機)の研究開発を手がける日本海洋重工業株式会社は、防衛スタートアップJISDA株式会社が設立した防衛・技術安全保障のための無人アセットコンソーシアム「RISE(Resilient Initiative for Unmanned Systems Engineering)」に参画した。これに伴い両社は、UAV(無人航空機)とUSVの群制御(協調運用)開発に関する連携を開始する。

海上における無人機運用には、広域性の確保、通信制約、気象・海象変化への対応など独自の課題がある。今回の取り組みでは、UAVの広域把握能力・即応性と、USVの持続性・海上行動能力を組み合わせ、実効性ある協調運用モデルの確立を目指す。具体的には、海洋監視・港湾警戒・重要インフラ防護などのシナリオを想定した運用ドクトリンの共同策定、USVをロジスティックス支援プラットフォームとして活用するUAVの補給・通信中継機能の開発検討、UAVによる俯瞰情報をUSVの航行・警戒判断に活用する海空統合の状況認識能力強化、の3点を軸に研究開発を進める。

JISDAが、無人システム事業・サイバーセキュリティ・防衛医学の知見と、中央省庁における制度設計・政策形成の知見を生かし、「使い方から逆算してドクトリンを設計し、実証へとつなげる」プロセスを主導する。日本海洋重工業は、海洋工学・電波・無線技術・マルチエージェント協調などの研究開発基盤に加え、元海上自衛隊員による実運用知見を強みとして、USV・UUVの技術開発と試験評価を担う。アジャイル型の開発サイクルを採用し、試作・少量生産・評価・改修のループを短期間で回す体制を構築する。設計面ではモジュール化された機体・ペイロード・ソフトウェア構成を取り入れ、技術更新への柔軟な対応を図る。シミュレーションから海上試験・段階的実証・運用者評価まで対応できる試験環境も両社で整備し、運用要求と技術開発を往還する開発体制を強化する方針だ。

異種無人機の海洋における群制御は、世界的にも実用事例が極めて少ない領域だ。防衛・安全保障用途にとどまらず、海上インフラ監視・港湾警備・災害対応・海難救助支援といった民生分野へのデュアルユース展開も視野に入れており、公共性と実装性を兼ね備えた海洋無人システムの活用モデルとして注目される。民間の立場から次世代の安全保障スタンダードの確立を目指すスタートアップ同士の連携によって技術シーズと運用ニーズを統合する本取り組みは、国内の海洋安全保障技術の底上げにつながる可能性を持つ。


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