abcなど5社 AI特化型データセンター合弁設立で合意、国内10拠点へ

web3技術に基づくデジタル通貨事業などを手掛けるabcは2026年4月24日、ReYuu Japan、イメージワン、ウインテスト、およびFD(愛知県刈谷市)の4社と、AI特化型の高性能データセンターを国内で開発・運営するための合弁会社設立に向けた基本合意書(MOU)を締結したと発表した。新会社の名称は「AI Data Partners(仮称)」で、2026年5月の設立を目指す。

合弁会社の設立に合わせ、プロジェクトごとに事業用SPC(特別目的会社)を組成し、プロジェクトファイナンスを通じて機動的に資金調達を行うスキームを採用する。投資・運用目標としては、国内約10拠点を目途にデータセンター事業を取得・運営し、内部収益率(IRR)6%以上の運用を計画している。

合弁会社では、各社が持つ専門領域を融合させる体制を構築する。abcは資金調達と事業ストラクチャリングを主導し、財務戦略および資本政策の中核を担う。上場企業としてのガバナンス体制を生かし、機関投資家や金融機関からの資金調達、補助金獲得支援も行う。

ReYuu Japanは、リユース事業で培ったネットワークを活用し、GPUサーバーの利用ニーズ開拓やテナント誘致、中古GPUサーバー・関連部品の販売網構築を担う。サーバー機器のライフサイクル管理を通じた資源循環、いわゆるGX(グリーントランスフォーメーション)領域での価値創出も視野に入れる。

イメージワンは、医療や衛星、ドローンといった分野で蓄積したAI画像解析の知見を生かし、データセンターを活用したAIソリューションを提供。ウインテストは半導体検査装置の技術をベースに、GPUサーバーの品質管理や設備の稼働モニタリング体制を構築する。FDは、太陽光・蓄電池事業で得た運営ノウハウを生かし、ネットワーク保守やサイバーセキュリティ対策、顧客向けクラウド管理インターフェースの開発を担当する。

5社は今後、最終契約の締結、事業計画の策定、用地選定、パートナー企業や投資家の拡大を進める方針。さらに将来的には、AI計算資源の提供にとどまらず、資産流動化やデジタル資産化を含む新たな金融スキームの構築も検討対象としている。

生成AIやビッグデータの活用が世界的に広がる中、膨大な計算処理を担う高性能データセンターの需要が急拡大している。日本国内でも経済安全保障やDX推進の観点から、高度な計算資源を確保することが重要な政策課題となっており、5社の連携はこうした流れを背景としたものだ。