離職防止ツール導入はわずか14% 導入企業の48%が「離職率改善」実感
人材不足が深刻化する中、企業の離職防止対策の実態が明らかになった。プロトスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:前川英麿)が運営するSaaS比較メディア「起業LOG SaaS」は2026年4月23日、全国の管理職・経営者・自営業者200名を対象とした「職場の離職・定着に関する実態調査」の結果を公表した。離職防止ツールを導入している企業はわずか14%にとどまる一方、導入企業の48%が離職率の改善を実感していることが判明し、導入企業と未導入企業の対応状況の差が浮かび上がった。同時に、企業の41%が離職防止に「特に何もしていない・わからない」と回答しており、事後対応型から脱却できていない実態も示された。
7割が「未導入・未検討」 給与・待遇への不満が課題の最上位
調査は2026年4月7日から13日にかけて、30〜50代の管理職・経営者および自営業者200名(30代50名、40代75名、50代75名)を対象に、インターネットで実施された。
離職・定着について「離職が増加しており深刻な課題」と回答した割合は13%、「やや気になっている」が16%で、合計29%が課題を認識している。一方で「特に問題なし」「わからない」と答えた層が過半数を占めた。起業LOG SaaS編集部は、データによる早期把握の仕組みが欠けていることで「見えない危機」が存在する可能性を示唆している。
離職防止ツールの導入状況については、「導入済みで現在も活用している」が14%(29名)にとどまり、「導入していないし検討もしていない」が70%(139名)と大多数を占めた。離職・定着に関する具体的な課題としては、「給与・待遇への不満が離職につながっている」が23%で最多。次いで「コミュニケーション不足・孤立」と「管理職のマネジメント力のバラつき」がそれぞれ19%で続いた。
未導入の理由では「費用対効果が見えない・予算が取れない」が26%で最多となった。ただし編集部は、月額数百円から導入できるツールや無料トライアルに対応した製品も多く存在しており、こうした選択肢の認知が進んでいない実態があると分析している。
「導入しただけ」では効果出ず 運用設計が成否を分ける
ツール導入経験者85名のうち、効果を実感した層は48%に達した一方、「変化はなかった」も40%で拮抗した。導入するだけでは効果が出ないケースが少なくないことを示す結果となっている。
導入・検討時の課題については、回答者全体の58%が「特に課題・懸念はない」と回答し最多となった。懸念がある層の中では「管理職がツールを使いこなせるか不安・使いこなせなかった」が18%で最も多く、「データをアクションにつなげられるか不安」「費用対効果が見えにくい」がともに13%で続いた。ツール選定の重視点では「月額費用・コストパフォーマンス」が44%で最多となり、「無料トライアルがあること」(28%)、「操作のしやすさ」(25%)が続いている。
現在の離職防止への取り組みでは、「特に何もしていない・わからない」が41%で最多を占め、事後対応型の企業が大多数を占める実態が浮かび上がった。取り組みを実施している企業の中では、「給与・待遇の見直し」(31%)、「福利厚生の充実」「定期的な1on1・面談」(いずれも22%)が上位に並んだ一方、「エンゲージメントサーベイの実施」は12%にとどまった。
起業LOG SaaS編集部は、1名の離職コストは年収の50〜100%相当ともいわれており、月額数百円から始められるツールであれば費用対効果は十分に成立するとの見方を示した。その上で、「変化なし」を防ぐ鍵は「低スコアが出たら誰が何をするか」という運用フローの事前設計にあるとし、ツール導入をゴールとせず、データを具体的なアクションにつなげる仕組みの設計が成功の条件であると指摘している。