NCD 自転車専用ドライブレコーダー「ジテレコ」を発表 走行データを街の安全に活用へ

NCD(本社:東京都品川区、代表取締役社長:下條治)は、自転車専用ドライブレコーダー「ジテレコ」を新たに発表した。販売開始は2026年冬頃を予定している。同社は1967年創業のシステムインテグレータで、1997年からは駐輪場管理事業に進出し、駐輪場管理システム「EcoStation21」、月極駐輪場管理システム「ECOPOOL」を全国展開してきた。長年の駐輪場運営を通じて蓄積した自転車利用者の課題やニーズを踏まえ、新たな事業領域として打ち出した格好だ。

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自転車が関与する事故の割合は近年増加傾向にあり、特に高齢者や子供が関わるケースが目立っている。映像や記録が残されていないため、自転車側の過失が大きく見なされる場面も少なくなく、自転車を利用する個人・事業者が抱えるリスクは深刻化している。2026年4月に施行された道路交通法改正で自転車利用に関する安全ルールの運用は強化されたが、自転車通学する子供やその保護者、自転車を業務に活用する事業者が抱える不安は容易には解消されない。「ドライブレコーダー」は自動車では半数以上に普及した一方、自転車向けの市場は未成熟であり、同社はそこに事業機会を見いだしている。

「ジテレコ」はカメラデバイスと無料のスマートフォンアプリで構成される。デバイスはフルHD録画に対応し、ジャイロセンサーとGPSにより衝撃や速度などの走行データも取得する。Wi-Fi接続したスマートフォンのアプリが走行データを自動解析し、走行経路と危険を検知した地点をマッピングしたレポートを生成。事故時のエビデンスとしてだけでなく、ヒヤリ・ハットの可視化による事故の未然防止にも活用できる。防水防塵はIPX6/IP6X規格に対応し、屋外利用にも耐える設計とした。自転車特有の動きを分析する独自の検知ロジックについては特許を出願準備中である。

NCDが見据えるのは、単なる映像記録機器の提供にとどまらない。各ユーザーから取得したデータを匿名性のあるビッグデータとして蓄積し、街全体の走行傾向や危険箇所の分析に活用する構想だ。将来的には、自動車や監視カメラなど街のIoT機器と相互に同期させることで、交通事故にとどまらず犯罪や道路インフラの状況把握など幅広い領域に貢献し、自転車を都市全体のフェールセーフとして機能させることを目指す。「自転車が多い街は不安」という現状を「自転車が多い街は安全」へと転換する――。駐輪場という自転車インフラを担ってきた同社が、IT化した自転車を新たな市場として創出する取り組みとして注目される。