テラドローンが洞窟で3次元計測の実証実験、九州大と文化財調査DX推進
産業用ドローンソリューションプロバイダーのTerra Drone(東京都渋谷区)は2026年4月24日、鹿児島県徳之島の文化財調査現場において、ハンディ型3Dスキャナ「Terra SLAM RTK」を活用した洞窟内のDX計測の実証実験を2026年3月17日から18日にかけて実施したと発表した。九州大学および天城町教育委員会との産学官連携による取り組みで、文化財調査現場のデジタル化の可能性を検証するものだ。
国内の文化財調査現場では、調査員不足や作業の長期化が深刻な課題となっており、従来の手作業による実測図作成の負担を軽減する3次元計測技術への期待が高まっている。一方で、調査現場は複雑な凹凸や樹木、深いトレンチが多く、上空からのドローンレーザでは死角部分のデータ欠損が生じやすいという技術的障壁があった。
「Terra SLAM RTK」は、自己位置推定と環境地図作成を同時に行うSLAM技術を搭載したハンディ型3Dスキャナで、歩行しながら測量精度5センチの点群データを取得できる。ドローンの死角となるトレンチ内部や樹木下においても、欠損のない緻密な3次元データの記録を可能とする点が特長だ。
今回の実証実験では、GNSS (全球測位衛星システム) が利用できず狭隘かつ複雑な地形が連続する洞窟内で、歩行による計測により空間形状を3次元点群データとして取得。短時間で広範囲のデータを取得できることを確認し、作業時間の短縮や負担軽減につながる可能性が示された。九州大学および天城町教育委員会の関係者との意見交換では、文化財調査や地形把握分野における実務適用性が評価され、洞窟遺跡調査などのDX推進に資する技術として期待が寄せられた。
同社は今回の地上計測を従来のドローンによる空中測量に加えることで、上空・地上双方から現場を網羅するデータ取得体制を確立し、測量・建設・文化財調査など幅広い分野のDXを牽引していくことを目指す。