農水省 「農業DX構想2.0」とりまとめ、未来予想図を提示

農林水産省は、2024年2月22日、「農業DX構想2.0」を発表した。2021年3月に発表した「農業DX構想」(月刊事業構想2021年8月号参照)を、その後のデジタル化の進捗状況や社会状況の変化、新たなデジタル技術の登場・発展の状況を踏まえて更新したものだ。農業・食関連産業やテック企業等の関係者に対する、「マイルストーンを示すナビゲーター」として使われることを想定している。

2023年5月から、有識者による「農業DX構想の改訂に向けた検討会」を設置し、議論を重ねていた。農業・食関連産業の各分野におけるデジタル化の現状を確認し、農業・食関連産業のDX実現に向けた道筋を、その始まりからデジタル技術導入時、導入後の支援、デジタル機器を活用した業務プロセスの導入と、それから得られたデータの分析・活用、DX推進にあたっての留意点までまとめている。

さらに、農業DXによって社会がどのように変わるかを「未来予想図」として記述した。この未来予想では、まず全体的には、DXによって農業・食産業は多くの人が携わる「儲かる産業」になり、食卓では新鮮な農産物や地域ごとの特色が生かされた料理を楽しめるようになっている。分野ごとの予想は、例えば気温や湿度、土壌環境データに基づく農作業アドバイスをもとに、1人の農業従事者がより多くの生産物を収穫できるようになる。消費者の購買データの分析を通じた精度の高い需要予測により、生産品目や出荷先を選択することで、適正な価格の維持やフードロスの削減、食料の安定供給を実現している、等だ。

今後、2026年初頭をめどに同構想を見直す予定で、2025年をめどに検討を開始するという。検討を始めるまでの間の議論や情報共有のための場を設置することも提案している。


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