クボタ 水道工事の書類作成DXシステムを開発、日本IBMと

クボタと日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は、共同開発したクボタスマート水道工事システム「PIPROFESSOR(パイプロフェッサー)」の提供を2023年10月16日から開始した。「パイプロフェッサー」は、水道工事に伴う図面や書類作成業務のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を実現するサービス。設計から施工計画、施工管理、竣工図書作成までの広範な業務のデータを連携させることができる。

このシステムでは、自動作成した管路の設計図や施工計画のデータと、スマホ経由で収集した工事現場での施工データを、クラウド上に構築したデータプラットフォーム「PIPEFUL(パイプフル)」に取り込み、提出書類を自動作成する。システムの共同開発にあたっては、水道管の国内トップメーカーで、製品供給のみならず設計・施工・維持管理業務の受託まで幅広く事業を展開しているクボタが長年蓄積した管路に関する技術と、日本IBMのシステム設計・構築・運用の知見を融合した。

クボタはシステムの全体構想や、設計や工程算出を自動化するアルゴリズムの開発、システムに必要な配管技術などのノウハウの部分を担った。日本IBMはMicrosoft Azure上でのデータプラットフォームの構築に加え、施工計画における工程算出アルゴリズムの実装や、施工管理で用いるiOSアプリの開発、提出書類自動作成機能の開発など、アプリケーションの設計・開発および運用を手掛けている。

国内では、法定耐用年数の40年を超えた水道管路の割合が約2割に達している。早急に管路の更新を進める必要があるものの、現在の水道管路の更新ペースを示す管路更新率は年0.65%で、すべての管路を更新するのに150年以上かかる計算になる。あらゆる人手が不足しているのに加え、公共事業である水道工事では多くの書類作成をする必要があるため、DXによる業務の自動化・効率化が期待されている。

水道イメージ

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