LKJ、いすゞ、富士通 強固な医薬品物流の構築に向け実証実験開始

ロジスティクスナイト・ジャパン(LKJ、東京都小金井市)、いすゞ自動車(横浜市、月刊事業構想2025年11月号参照)、富士通(神奈川県川崎市)の3社は2025年10月27日、医薬品の安定供給を実現する医薬品物流プラットフォームの構築に向けた実証実験を11月上旬から開始すると発表した。国土交通省の「物流イノベーション実装支援事業」に採択されたもので、製造拠点から調剤薬局や病院までの物流網において医薬品を一元管理する仕組みを検証する。

実証実験では、医薬品の適正流通(GDP)ガイドラインに準拠した理論在庫値と輸送・保管温度の可視化、共同輸送による物流効率化、パレット輸送導入による作業効率化の3テーマに取り組む。特に共同輸送では、国内で製造された医薬品を北海道内の調剤薬局や病院まで運ぶルートでシミュレーションを実施する。国交省と経済産業省が推進するフィジカルインターネット実現会議の医薬品ワーキンググループとも連携する。

医薬品物流では、供給不安や在庫偏在により医療機関での局所的な不足や廃棄が問題となっており、厳密な温度管理とトレーサビリティの確保が課題となっている。3社は実証実験を通じて、LKJの医薬品物流の専門知見、いすゞの運行管理基盤「GATEX」、富士通のサプライチェーン管理技術を組み合わせ、医薬品の安定供給と物流効率化の両立を目指す。

3社の分担として、まずLKJは、医薬品物流における安定供給網の拡充をはかる。川上から川下までの各者(荷主、物流事業者、卸売販売業者、患者・顧客)の間にある課題解決と最適化を進め、持続的な医薬品物流の体制構築を目指す。

いすゞは、業界を超えたさまざまなステークホルダーと連携し、運送事業者・荷
主の輸配送効率向上と新サービス創出を目指していく。富士通は、物流データの利活用の促進による、強固なサプライチェーン構築を加速させる。