農業用収穫ロボットのAGRIST、北米市場の開拓へ 施設園芸DXで世界展開を加速

AGRIST株式会社は、米国カリフォルニア州で開催された「U.S.–Japan Innovation in Agri-Tech and AI」のピッチショーケースに登壇した。北米市場における投資家や現地企業へのアプローチを強化し、パートナーシップの構築を進めていく。

同社は2019年の創業以来、農業の担い手不足という日本の構造的課題に正面から向き合い、テクノロジーによる解決を模索してきたスタートアップだ。「100年先も続く持続可能な農業を実現する」という理念のもと、閉鎖的な温室環境での自動収穫に特化したロボティクス技術を磨き、国内での実績を積み上げてきた。

同社の収穫ロボットは、ハンドに搭載したカメラで作物を探索し、AIが収穫適期の果実を判定して自動的に収穫する仕組みだ。エンドエフェクタを交換することでピーマンやきゅうりなど複数の作物に対応できる汎用性を備え、収集した生育データをもとに収量予測や栽培管理の最適化といった営農支援ソリューションも提供している。大規模な露地農業が主流の北米市場において、施設園芸に特化した同社のアプローチはピッチショーケースで「ブルーオーシャン」として高い関心を集めた。今後は現地で得られた知見を国内の製品開発にも還元していく方針だ。

今回の北米進出にあたっては、日本政府の「スタートアップ育成5か年計画」の一環であるJ-Startupの支援を受け、シリコンバレーの拠点「Japan Innovation Campus(JIC)」を活用している。サミットは日本領事館、農林中央金庫、AgVenture Labが主催した。中東やインドに続く拠点として北米を位置づけ、グローバルな事業基盤の構築を進める。

農業従事者の高齢化と担い手不足は、日本に限らず米国やアジア圏でも共通の課題となっており、持続可能な食料供給を支えるロボティクス技術への期待は世界的に高まっている。国内で培った技術と知見をグローバルな食料問題の解決につなげようとする同社の取り組みは、日本発フードテックの可能性を示すものとして注目される。