日本総合研究所と京大 カーボンニュートラルの実現へ向け連携協定締結

日本総合研究所(東京都品川区)は2023年9月13日、京都大学および京大オリジナル(京都府京都市)と、カーボンニュートラルの実現に向けた産官学の広範な連携体制の構築や共同研究および新規事業の創出を目的とした協業活動の協定を締結したと発表した。三者は、京都大学が開発中の各種の技術シーズからカーボンニュートラルの実現に必要なものを見極め、それらと民間の知見を組み合わせることで、新たな技術の実用化を図り、そこから新たなサービス、さらにはインフラを創出することを目指す。

カーボンニュートラルの実現には取り組みをサプライチェーン全体で行うことが必要だが、従来の取り組みのほとんどは、再生可能エネルギーやそれを利用したグリーン水素の製造、CO2を回収して地中に埋めるCCUといった、資源やエネルギーのサプライ側を中心としたものだった。そこで同協定では、例えば食品産業の製造過程で発生する廃棄物などについて、バイオマス資源やプラスチックや建材などに転換する仕組みの構築を行うなど、デマンド側の取り組みを推進。京都大学の技術シーズを中心に民間企業の持つ知見をすり合わせながら活用し、カーボンサイクルが構築できる新しいインフラの整備を目指していく。

協定の締結に先立ち、2023年9月、三者はカーボンサイクルイノベーションコンソーシアム(CCIコンソーシアム)を設立。将来、再生可能エネルギーが主要エネルギーとなった場合、化石燃料の利用が激減することになるため、CCIコンソーシアムではそのための新たなカーボンサイクルの仕組みを検討する。製造業やバイオマス発電所などから排出される、現在は利用されていないCO2および廃棄物系バイオマスなどを資源として、カーボンサイクル拠点で化学材料や飼料や燃料などに転換するといった、一次産業と二次産業が連携した形による新たな産業インフラの構築を目指す。CCIコンソーシアムには、製造業や建設業などの民間企業、地方公共団体が参画し、関連政府機関とも対話を行いながら、産官学一体となって活動を行っていく。

ニュース2日本総研0915

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