2014年11月号
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目指すはグローバル・トップ企業

ユニ・チャーム、マニー意思決定の迅速化「中小企業に勝機あり」

大石芳裕(明治大学経営学部教授)

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オーナー企業の株価は、日経平均の株価より一貫して高い。日本経済新聞社の調査では、その違いは「決断の速さ」によると分析している。変化が激しい海外市場では、意思決定が速い中小企業にこそ、大きなチャンスがある。

今回が3回連載の最終回である。第1回では「新興国参入で成功する秘訣」として「対象市場の設定」を述べ(9月号)、第2回では「世界各地で売れるマーケティング」として「標準化と適合化」を述べた(10月号)。今回は「海外進出は中小企業に勝機あり」として「意思決定の迅速化」について記述する。

海外ビジネスにおける意思決定のスピードとは

「海外でビジネスを行うのに最も必要なものは何か」と問われたら、私は迷わず「意思決定の迅速化」と答える。それはなぜか?

第1に、海外市場は慣れ親しんだ国内市場とは異なる。まず、市場の変化が読みにくい。したがって、変化に気付いた時には手遅れになることが多い。政策の変更にしても、流行にしても、あるいは流通の動態にしても、外部の人間には分かりづらい。変化が起きたときには迅速に対応する必要がある。第2に、現在主要な海外市場となっているアジアなどの途上国では成熟した先進国以上に変化が激しい。単に海外市場というだけでなく、ダイナミックに変化する途上国で成功するためには意思決定の迅速化は不可欠である。第3に、海外進出国が増えるにつれて、それら市場の変化は複雑になり変化の方向も多様になる。販路や生産拠点が増えるにつけて、ますます意思決定の迅速化が求められる。

意思決定の迅速化は、経営のあらゆる側面に必要となる。開発、調達、生産、ロジスティクス、財務、人事、法務など経営のすべての点で意思決定を迅速にしなければならない。とりわけ市場と対峙するマーケティングにおいては、意思決定のスピードは成功するか失敗するかの分水嶺でもある。

2014年10月1日のマーケティング会議を想定してみよう。そこで提出されたデータや資料は最新でも9月31日までのものである。それに基づきA案がマーケティング戦略として正しかろうと思われたが、反対意見もあり決まらなかった。その後、何回かの議論を重ね11月1日にようやくA案で合意を得た。しかしながら、その間に市場は大きく変化し、10月1日時点では正しかろうと思われたA案が11月1日時点では完全にタイミングを失していたのである。

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