パソナ、匠創生 熟成古酒販売のプラットフォーム事業を開始

パソナグループの匠創生(兵庫県淡路市)は、2020年6月5日、酒蔵が長期間保存し熟成した「長期熟成古酒」をプレミアムギフトとしてオンライン販売する事業を開始した。全国33酒蔵、38銘柄を集め、「古昔の美酒(いにしえのびしゅ)」という統一ブランドで販売する。

オンライン販売に加え、東京駅前の直営店「Tasting Bar & Shop POPPING STAND」でもテイスティングと購入ができるようにした。バーコーナーでは、ソムリエによる熟成古酒とおつまみのペアリングメニューも提供する。

熟成期間や元の酒の質により、古酒は様々な味わい・香りを持つようになる。ブランドが提供する銘柄の選定にあたっては、全国100以上の酒蔵を訪問し、17府県の酒蔵の日本酒30種、焼酎6種、泡盛1種、梅酒1種の古酒を発掘した。熟成期間は原則10年以上としている。マイナーな存在である古酒をPRするため、2020年2月にはチョコレートのマリアージュを提案。5月にはオンライン試飲会を実施するなどしてきた。

日本でも古くから、長期間熟成させた酒類がアルコール飲料の1種として愛されてきた。製造後すぐに販売する酒類に比べ、熟成の過程を経る古酒は出荷までに時間がかかり、コストやリスクが高い。このため、最近では生産をやめる酒蔵が多く、希少価値は年々上がっている。1983年と1984年製造の熟成古酒を同ブランドから発売する岩瀬酒造の庄野智紀氏は、「これまでは海外のコンテストで受賞しても、古酒を提供する方法がなかった。匠創生の企画で、古酒を手に取ってもらう機会が得られてよかった」と話す。

匠創生社長の安村亮彦氏は、「世界のビンテージアルコールの市場に『熟成古酒』を入れ、酒蔵の経営の安定や地域の雇用創出につなげたい」と、将来の目標を語った。

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