離島や中間山地の公立高校に留学 説明会を大都市で開催

 

一般財団法人地域・教育魅力化プラットフォーム(松江市)は、全国から生徒を募集している公立高校向けの留学支援事業「地域みらい留学」を立ち上げる。2019年4月入学に向け、2018年6月~7月に、東京・名古屋・大阪・福岡で「地域みらい留学フェア」を開催し、都市部に在住の生徒と保護者に各地の公立高校の取り組みをアピールする。今回のフェアには、北海道、茨城、群馬、新潟、滋賀、和歌山、広島、岡山、島根、高知、鹿児島、沖縄の各県から、約30校が参加を予定している。

 

少子化に伴い、全国から生徒を受け入れる公立高校が増えている。2018年度は少なくとも28道府県の200校が、域外からの留学を認めている。高校に入学した生徒は、学校の寮やホームステイ先から通学する。全国募集の先駆けとなった島根県では、19校が留学制度を実施。2017年度は184人が県外から入学した。

 

域外の生徒を募集している学校には、それぞれ特色がある。島根県海士町の隠岐島前高校では、「島留学」の長所を県外からの生徒にアピールしている。自然の中で島出身の生徒と交流しながら、主体的な高校生活を送れることがPRのポイントだ。同校の生徒数は2008年には89人だったが、島での高校生活の魅力を訴え県外の生徒を受け入れるようになってからは増加し、2016年には180人となった。現在、86人の県外からの生徒が同校で学んでいる。様々な地域出身の生徒数が増えたことで、学校生活に多様性が生まれ、進路が多様化するなどの効果が出ているという(月刊事業構想2016年9月号、月刊事業構想2018年5月号参照)

 

また、群馬県沼田市の尾瀬高等学校では、尾瀬の自然環境を生かした環境教育を前面に打ち出している。環境調査を通して課題を発見し解決する能力を身に付けたり、自然環境の保全を啓発するためのコミュニケーション法などを学ぶことができる。

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