2018年度予算は歳出抑制と生産性向上がポイント

内閣府経済財政諮問会議は、2017年12月1日、2018年度の予算編成の基本方針について検討した。

財務省の財政制度等審議会の議論に基づき、麻生財務大臣が提出した「平成30年度予算の編成等に関する建議のポイント」では、総論と共に、社会保障、地方財政、文教・科学技術などの分野ごとに、具体的な項目を挙げて指摘がなされている。

総論としては、2020年度のプライマリーバランス黒字化目標の達成が困難なことを政府が発表したこともあり、引き続き財政の引き締めを継続する。「経済・財政再生計画」における「集中改革期間」の最終年度となる2018年度予算においても、歳出改革の「目安」を遵守し、一般歳出の伸びを5300億円以下、そのうち社会保障関係費の伸びを5000億円以下に抑える必要がある、とする。

地方財政については、地方財政計画の歳出を着実に抑制し、歳出歳入ギャップを縮小していくことが重要とされている。また、地方の基金残高が、2016年度末には21.5兆円と過去最高となったことから、各地方公共団体の基金残高の増加要因を分析・検証し、地方財政計画への反映などにつなげていく必要があると指摘している。その他には、地方消費税の清算基準が、最終消費の実態を適切に反映できていないなどの問題があることから、人口基準の比率を大幅に高めるなど抜本的な見直しを求めている。

また、中小企業向けの補助金については、競争環境の公平性を確保するための見直しを行う必要があると指摘。同時に、生産性向上につながるような分野・対象には重点的な支援を実施すべき、と訴えている。

社会保障分野については、有識者委員から提言がなされた。同提言では、重点課題として、薬価制度の抜本的改革、診療報酬改定を求めている。介護分野については、「見守りセンサーやロボット活用に伴う人員・設備基準の緩和、介護報酬上の評価、AIを活用したケアプランの高度化を推進すべき」と、新技術の積極的な導入を促している。

Naikakufu1711.jpg