浮体式洋上風力のアルバトロス・テクノロジー DBJなどから2.5億円調達
垂直軸型の浮体式洋上風車の開発に取り組むスタートアップ、アルバトロス・テクノロジー(東京都中央区)は、日本政策投資銀行(DBJ)などを引受先として総額2.5億円のプレシリーズB資金調達を実施した。第三者割当増資によるもので、シードラウンドからの累計調達額は約7.7億円となる。調達資金は主に、大型海上実験機の開発準備に充てる。2026年9月9日に発表した。
アルバトロス・テクノロジーが開発する垂直軸型の浮体式洋上風車「FAWT」は、既存の水平軸型風車よりも、浮体式の海洋構造物に適した形になっている(下図参照)。日本近海の環境にあわせ、深海域にも適用できる浮体式洋上風力の導入拡大が不可欠とされる中、同社の風車は構造の簡素化や低重心化により洋上風力発電の大幅なコスト低減と国産化の実現が可能な技術として期待されている。

今回のプレシリーズBの引受先は、日本政策投資銀行、住友重機械工業、三菱瓦斯化学、昭和機械商事、アルバクロス、ほくほくキャピタル、および個人投資家。調達した資金は、主として長崎県で実証中の小型海上実験機を踏まえた大型海上実験機の準備に使用する。なお、小型海上実験の費用については、別途5社による共同研究ですでに確保しているという。
アルバトロス・テクノロジーに出資した投資家は、FAWTがコスト低減に挑むだけでなく、国内の風車サプライチェーン再構築やエネルギー安全保障の観点からも意義を持つと評価している。DBJは長崎での海上実証を起点とした国産風車サプライチェーンの構築と新たな海洋産業の創出への期待を示し、住友重機械工業は戦略的提携を通じた技術の実用化・事業化の加速を、三菱瓦斯化学は材料設計や耐環境性評価などの知見を現場に持ち込む方針を表明している。
アルバトロス・テクノロジーは、2012年に合同会社として設立され、2022年7月に株式会社化した海洋再生可能エネルギー分野のスタートアップ。同社はFAWTの開発を共に進める人材の採用も進めており、今後は実証から商用化に向けた体制強化を図る。