Synspective、防衛省の衛星コンステレーション事業で契約締結

小型SAR(合成開口レーダー)衛星の開発・運用およびSARデータの販売・ソリューション提供を手がける株式会社株式会社Synspectiveは、防衛省が推進する「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」において、事業契約が正式に締結されたことを2月20日に発表した。本事業はPFI手法(BOO方式)を採用し、民間企業が衛星を所有・運営しながら防衛省に画像データを提供するもので、契約金額は総額2,831億円(税込)、事業期間は2026年2月から2031年3月末までの約5年間となる。

衛星コンステレーションとは、多数の小型人工衛星を一定の軌道上に配置し、連携させて一体的に運用するシステムである。本事業では、SAR衛星および光学衛星によるコンステレーションを構築し、地上の専用施設と合わせて運用することで、防衛省に対して優先的に衛星画像情報を提供する。2028年頃からの本格運用を目指し、段階的に衛星を打ち上げて体制を整える計画だ。

本事業の中核を担うのは、三菱電機株式会社、スカパーJSAT株式会社、三井物産株式会社の3社が設立した特別目的会社(SPC)「株式会社トライサット・コンステレーション」。Synspectiveは、株式会社QPS研究所、株式会社アクセルスペース、三井物産エアロスペース株式会社とともに協力企業として参画する。Synspectiveはトライサットおよび三菱電機との3社間で、小型SAR衛星による画像データ取得等の業務委託契約を締結しており、この3社間の契約金額は1,056億円(税込)にのぼる。大手電機メーカー、通信衛星事業者、総合商社がSPCを構成し、小型SAR衛星のスタートアップ企業群が技術面で支える官民連携の体制が築かれた。なお、Synspectiveは宇宙戦略基金の補助も受けて本事業に取り組む。

本事業は、防衛力整備計画に基づくスタンド・オフ防衛能力の強化を目的としており、宇宙関連予算のなかでも最大規模の施策に位置づけられている。日本の宇宙産業にとっても、防衛分野での大型PFI事業に複数の国内宇宙スタートアップが参画する点は注目に値する。民間の技術力と資金を活用しながら安全保障上の衛星インフラを整備するという枠組みは、今後の宇宙安全保障政策のモデルケースとなる可能性がある。