NTT東とグリラス　食用コオロギのスマート飼育化へ実証実験

食用コオロギ事業を展開するグリラス（徳島県鳴門市）とNTT東日本は2023年1月19日、ICT・IoTを活用した食用コオロギのスマート飼育の確立を目指す実証実験を開始すると発表した。コオロギ飼育に関するデータ収集とAI分析、飼育における省人化および効率化を行い飼育環境の構築・確立をめざすとともに、今後の需要拡大を見据えた事業化の検討を進める。

第一歩として、NTTe-City Labo（東京都調布市）内の一室を食用コオロギの飼育施設として新たに整備し、実証の基礎となるコオロギの飼育における環境要因のデータ収集および分析を開始する。稼働後の一般見学の受付も予定している。 

飼育施設では、飼育と密接な関わりを持つ飼育室内の温度や湿度、CO2濃度をはじめとした環境データをセンサーによって収集。画像認識AIを用いて各種センサーによって収集したデータを分析し、飼育環境内で発生した異常やその原因の検知、コオロギが食べた餌の量の測定などを行い、飼育方法の改良や、コストおよび工数のスリム化を目指す。自動給餌などの高度な飼育方法の開発にも繋げる。さらにNTT東日本のDXソリューションなどを活用し、飼育でのさらなる環境負荷の低減や、飼育環境の自動化や省人化を目指す。 

グリラスは徳島大学発ベンチャーとして2019年に創業。徳島大学における30年に及ぶコオロギ研究を基礎に、徳島県美馬市の2つの廃校を生産・研究拠点として整備し、コオロギの品種改良を目的とした研究開発から、食用コオロギの生産、食品原料や商品の開発・販売までを一貫して行っている。

グリラスホームページ