経産省 脱炭素に向けたプロジェクトの研究開発・社会実装計画を発表

経済産業省は、2022年1月20日、「CO2の分離回収等技術開発」と「CO2等を用いた燃料製造技術開発」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画を策定し、公表した。同時に、それぞれのプロジェクトについて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施者の公募を開始した。

「CO2の分離回収等技術開発」は、エネルギー消費を抑えながら二酸化炭素を分離可能な革新的素材の開発やシステム技術の革新・実証を推進し、現在、6000円以上/t-CO2である分離回収コストを、2030年には2000円台/t-CO2とすることを目標としている。併せて、実際に排出されたガスを用いた分離素材の標準評価技術基盤を確立し、国際競争力の強化を図る。

「CO2等を用いた燃料製造技術開発」では、脱炭素燃料の技術開発を促進すべく、(1)合成燃料、(2)持続可能な航空燃料(SAF)、(3)合成メタン、(4)グリーンLPGについて、社会実装に向けた技術開発・実証を行う。エタノールからSAFを製造するATJ技術(Alcohol to JET)や、再エネ電力で製造した水素と、 発電所などから回収したCO2から効率的にメタンを合成するメタネーション技術の確立が目標だ。

2050年にカーボンニュートラルを実現するという目標に向け、政府は2020年度第3次補正予算で2兆円の「グリーンイノベーション基金」をNEDOに造成した。基金の執行にあたり、産業構造審議会グリーンイノベーションプロジェクト部会が「分野別資金配分方針」を決定。この方針を踏まえ、部会の下に設置された分野別ワーキンググループが、基金で実施するプロジェクトごとの優先度・金額の適正性を審議してきた。今回の計画は、エネルギー構造転換分野ワーキンググループでの議論を踏まえて策定したものだ。

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