事業構想大学院大学修了生、ドラレコ映像やスポーツ通じて交通安全啓発

チラシやノベルティによる呼びかけに加え、パトロールカーのドライブレコーダー映像を使った動画や、ラジコンの操縦、バッティングといった「体験」を通じて、楽しみながら交通安全を学んでもらう。事業構想大学院大学の修了生(13期)が、こうした交通安全啓発の新たなかたちを構想した。

2026年9月19日には、東日本高速道路(NEXCO東日本)東北支社 仙台管理事務所が主体となり、東北自動車道の長者原サービスエリア(SA)上り線で、交通安全啓発イベント「道の未来ラボ」を開催。修了生がそれぞれ担当する3つの構想を出展し、来場者に体験してもらった。

1つ目は、株式会社ネクスコ東日本トラスティの修了生が担当した「e-RCモビリティラボ」。ハンドルとペダルを使い、モニター越しにラジコンを操縦する、子どもや家族連れ向けのドライビング体験だ。

2つ目は「野球アクティビティ」。専用の練習器具を使ったシャトルバッティングで短時間体を動かし、ドライバーの眠気防止や気分転換につなげることで、安全運転を促す。

3つ目は、株式会社ネクスコ・パトロール東北の修了生が担当した「動画eラーニング 無事道」。高速道路パトロールカーのドライブレコーダー映像を活用した交通安全動画を上映したほか、子どもがミニパトロールカーに乗って記念撮影できるコーナーも設けた。

来場者アンケートでは、各構想とも良好な反応が得られた。野球アクティビティでは、回答した47名の満足度が93%、参加意向が98%に上った。一方、希望する参加料金は「100円」が79%を占めており、実装に向けては、気軽に参加できる料金設定が鍵になりそうだ。

無事道では、回答した27名の全員が、視聴が安全運転につながると答えた。事業者向けの有料コンテンツとして需要があるとの回答も97%に上り、定期的に視聴する場合の最適な長さは「5分」が81%で最も多かった。もともとトラックドライバーを想定した構想だったが、当日の来場者のほとんどは一般ドライバーだったという。

集客では、SA館内放送での告知に加え、株式会社ネクスコ東日本エリアトラクトが同日から東日本のSA・PAで販売を始めた「ドライブリカバリーめし」の試食券配布が、会場への誘導に高い効果を上げた。

修了生らは、大学院での研究成果を一般の人に公開する機会が限られるなか、仙台管理事務所の協力で実現した今回の取り組みについて、実装に向けた実績を積むことができ、修了生一同の大きな励みになったと振り返る。

飯島佑基さん(株式会社ネクスコ東日本トラスティ 総務部 経理シェアードサービス課)は「目指していた運転体験を実現できず悔しさも残ったが、子どもたちの笑顔から大きな手応えを感じた」と話す。

岩間悠さん(東日本高速道路株式会社 事業創造課 係長/出向先:株式会社ネクスコ東日本イノベーション&コミュニケーションズ 事業創造課 副主幹)は「短時間の運動によるリフレッシュ効果が、SA・PAの新たな体験価値につながる可能性を感じた」と語る。

岩谷俊輔さん(株式会社ネクスコ・パトロール東北 教育安全部 安全企画課 課長代理)は「無事道は安全な高速道路を創造するプロジェクト。構想を大切に育ててきた卒業生として励みになった」と振り返った。