立命館大学発のReBlueTech、管内点検ロボットを事業化 下水道圧送管から実証、2027年度の製品化へ
株式会社ReBlueTech(リブルーテック)は、立命館大学理工学部の加古川研究室で培われた管内移動ロボット技術を基に、人が立ち入れない管路の点検に取り組む大学発スタートアップとして、2026年10月15日に設立された。まずは下水道の圧送管を対象に実管での検証を重ね、検査の受託と機器の商品化を進める。
設立の背景には、インフラ設備の老朽化と、点検・保守を担う現場の人手不足の同時進行がある。下水道やガス管、工業用配管などは点検ニーズが高まる一方で、細い開口部や長距離、曲管、垂直部といった条件から、従来の装置では点検が難しい管路も少なくない。同社は、加古川研究室(Actuation Lab)が15年以上にわたり蓄積してきた管内移動ロボットの研究成果を社会実装するため、会社化に踏み切った。
主力となるのは、自走式の管内点検ロボット「AIRo-8」と「Xbot-R」の2機種。AIRo-8は流域下水道の圧送管向けで、M字型のリンク機構と能動車輪を備え、空気弁などの狭い枝管から進入したうえで、より大きな本管内で姿勢を展開する。進入口径はφ75mm、対象管径はφ200〜300mm、想定調査距離は最大100mとする。Xbot-Rは公共下水道の圧送管向けで、ハサミ状のリンク機構によって複数の駆動輪を管壁に押し当てて走行し、先端のカメラで管内を観察する。水平の直管に加え、垂直管や曲管、伏せ越しへの対応を目指す。
いずれも駆動源はAC100V電源で、モバイルバッテリーでの運用も可能。コンプレッサーや給水車を必要とせず、電源さえあれば動作する点が特徴だ。小口径の入口や曲がりの多い管路でも運用できるとし、管内の映像は点検記録として残して位置情報と連携させる。将来的にはAIによる老朽化診断や健全度判定の補助を目指す。なお、各機の数値には開発中の目標値も含まれ、適用の可否は現場条件を確認して判断するとしている。
今後は、100m級の実管走行、製品機への距離計測機能の付加、映像と位置情報を統合するデジタルツインの構築を進める。下水道圧送管での実証を足がかりに、通信・電力の地下管路や施設排水管へと対象を広げ、防水化などの技術要求を検証しながら上水道への応用も視野に入れる。自治体やインフラ事業者との共同実証を通じて、現場で継続的に使われる技術へと育てる方針だ。製品化は2027年度を目標とし、具体的な提供範囲は個別に協議するとしている。
経営体制は、代表取締役CEOに永井好輝氏、ファウンダー・CTOに立命館大学理工学部ロボティクス学科准教授の加古川篤氏が就く。加古川氏は技術戦略と研究開発を統括し、15年以上にわたり管内移動ロボットを研究してきた。技術の基盤である立命館大学加古川研究室と連携しながら、検査受託や共同開発の相談にも応じる。
同社は、ロボットで現場の仕事を単に置き換えるのではなく、現場の経験や技能を尊重しつつ、技術によって仕事のあり方を見直すことを掲げる。ロボットから得た現場情報を蓄積・活用し、点検可能な範囲を広げることで、インフラ点検の省人化と高度化につなげたい考えだ。