落合陽一氏プロデュースの常設ミュージアムシアター「null²ⁿ」 横浜ランドマークタワーに開業

株式会社サステナブルパビリオン2025は10月14日、メディアアーティストで筑波大学教授の落合陽一氏がプロデュースする常設ミュージアムシアター「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」を、横浜ランドマークタワー内の商業施設・ランドマークプラザ5階に開業した。2025年大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」を引き継ぐ施設で、万博会期中は延べ約53万人が体験し、閉幕から約1年を経て常設施設として再公開する。

©Yoichi Ochiai

施設は入口の「門」と5つのエリアで構成され、日時指定の事前予約制で約60分をかけて巡る。門「皆空鏡門」では床や壁が震え、鏡に映る自分の姿を通じて名前や肩書きを手放して内部へ進む。続く「壱の間(さよならホモサピエンス)」は記号を手放す導入の部屋、「弐の間(無眼界の夢)」は完全な暗闇の中で人生の場面が音だけで過ぎていく空間、「参の間(質量への憧憬)」は人類の発明品約170点を集めたギャラリー、「肆の間(潜在空間の夢)」は潜在空間を映像化した演出が押し寄せる部屋とされる。出口の「橋(記号の彼岸)」では、透ける鏡越しに通ってきた部屋を振り返りながら外へと戻る構成になっている。

壱の間/FIRST ROOM さよならホモサピエンス(Goodbye, Homo sapiens)
戸惑う BEWILDER ―「意味が分からないまま、何かを置いていく。」©Sustainable Pavilion

来場者は演出と連動する専用アプリ「Mirrored Body(ミラードボディ)」を利用する。来場前にダウンロードと情報登録を済ませると、来場者自身の「デジタル分身」が館内の空間演出とシンクロし、デジタルと物理空間が融け合う世界を体験できるという。同アプリは万博でも約17万人が利用し、App StoreとGoogle Playで配信されている。屋内施設のため天候に左右されず、年間を通じて体験できる。

プロデューサーの落合氏は1メディアアーティストで、筑波大学教授、東京大学准教授を務める。デジタル技術と表現を融合した作品を手がけ、2016年にメディアアート分野の国際賞プリ・アルスエレクトロニカの栄誉賞を受けたほか、EUのSTARTS Prizeなどを受賞している。2025年大阪・関西万博ではテーマ事業プロデューサーとして「null²」を制作し、開業日には自ら来場者を出迎えた。万博閉幕後の移設にあたっては、クラウドファンディング「ぬるぬるのお引越」で開始から23時間で支援額が1億円を突破した。会場で販売する限定ユニフォームは、ファッションブランド「Ground Y(グラウンドワイ)」を展開する株式会社ヨウジヤマモトが、落合氏の作品をモチーフに制作した。

同社は、万博で来場者と築いた関係をもとに、市民に向けたエンターテインメント事業として展開する方針を示している。地域やパートナー企業と連携し、アプリと「まち」の回遊をつなぐ仕組みを通じて、万博のレガシーを横浜で継承する。