オリックス 函館市でバイナリー方式の地熱発電所の商業運転を開始

オリックスは、2024年5月1日、北海道函館市南茅部地域で設備容量6500kW(6.5MW)の地熱発電所「南茅部地熱発電所」の商業運転を開始しましたと発表した。バイナリー方式で国内最大規模の地熱発電所となる。

「バイナリー方式」とは、地下から取り出した熱水の熱で、水より沸点が低い媒体を沸騰させ、その蒸気でタービンを回し発電する手法だ。媒体を使用することで、200度以下の比較的低温の地熱資源でも発電が可能になる。また南茅部地熱発電所では、日本国内の地熱発電所で初めて、ラインシャフト式ダウンホールポンプと呼ばれる、長時間稼働可能な耐久性の高い地熱向けポンプを採用した。このような設備によって、低温度の熱水地域においても設備容量の大きい地熱発電を実現できた。

設計面でも周辺環境に配慮している。井戸の本数と開発面積を削減するとともに、高温になった媒体の冷却には空冷凝縮器を採用、樹木が枯れる原因ともなる冬季の樹氷の発生を防止する。取り出した熱水は全て地下に還元、水資源の循環させる。また発電所の周辺では森林整備を行っていく。今回の事業は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による地熱資源開発資金債務保証事業の採択を受たものだ。

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