QPS研究所、小型SAR衛星13号機「ミクラ-Ⅰ」を6月30日に打上げへ 36機の衛星群で準リアルタイム観測サービス目指す

株式会社QPS研究所は、小型SAR衛星13号機「ミクラ-Ⅰ」を、2026年6月30日午前10時15分(日本時間)以降、米国Rocket Lab社のElectronロケットで打ち上げると発表した。打上げ射場はニュージーランド・マヒア半島のRocket Lab Launch Complex 1で、高度575kmの中傾斜軌道への投入を予定している。

QPS研究所は2005年に福岡で創業した宇宙開発企業で、社名は「Q-shu Pioneers of Space」に由来し、九州から宇宙産業を切り拓くという思いが込められている。同社が手がけるSAR(合成開口レーダー)は、電波を用いて地表の画像を得るレーダーで、雲や噴煙を透過し、昼夜を問わず観測できる点が特長だ。

同社のQPS-SAR衛星は、収納性が高く軽量でありながら、大型の展開式アンテナ(特許取得)を備える。これにより従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストを実現し、民間SAR衛星では世界トップレベルとなる46cm分解能の画像取得を可能にしている。今回打ち上げる13号機は、契約手続きの順に沿ったナンバリングによるもので、今後も打上げ順の前後が生じる可能性があるという。

同社が目指すのは、衛星コンステレーション(多数の小型衛星による連携運用)の構築だ。2028年5月末までに24機、2030年には36機の体制を整え、特定地点を平均10分間隔で観測する準リアルタイムの観測データ提供サービスの実現を掲げている。

こうした衛星開発と事業展開は、北部九州を中心とする全国25社以上のパートナー企業に支えられている。地域の製造業などと連携しながら開発を進める体制を築いている点が、同社の特徴の一つだ。また、今回打上げを担うRocket Lab社のElectronロケットは、2018年1月の初打上げ以降、これまでに民間・公的機関の200機以上の衛星を軌道に投入してきた実績を持つ。

SAR衛星による観測データは、雲や夜間に左右されずに地表の状況を捉えられるため、防災やインフラ監視などへの活用が期待されている。観測頻度を高める準リアルタイムのコンステレーションが整えば、刻々と変化する状況をより細かく把握できるようになる。今回の打上げは、その構想の実現に向けた一歩となる。