通話録音AI分析の導入企業の約8割で「活用格差」が鮮明に

AIコミュニケーション統合プラットフォーム「カイクラ」の開発・販売を行う株式会社シンカは、通話録音を行っている企業の管理職・責任者1,019名を対象に「企業における通話録音データの管理とAI活用実態」に関する調査を実施した。

株式会社シンカ公式プレスリリースより

昨今、コンプライアンスの強化やカスタマーハラスメント(カスハラ)対策を背景に、多くの企業で全通話録音の導入が進んでいる。一方で、蓄積された膨大な音声データが活用されないままブラックボックス化する課題も生じていた。近年ではAIによる自動要約やテキスト化を実務に活かす動きが加速しているものの、現場では機能を使いこなせず効率化に直結していない実態が散見される。

調査結果によると、顧客との通話録音データの処理や分析にAIを「積極的に活用している(37.9%)」または「一部で活用している(45.4%)」と回答した企業は全体の約8割に達した。具体的な活用方法としては「長時間の通話を自動要約して把握(41.1%)」が最多となり、次いで「通話内容をテキスト化して目視確認(36.5%)」、「感情の起伏からクレーム・カスハラ判定(35.1%)」という結果が得られた。

しかし、AIを導入しているにもかかわらず、過去の録音から特定のデータを探し出して必要な通話内容を確認するまでに「1分〜5分未満(31.4%)」や「5分〜10分未満(41.8%)」の時間を要している企業が約7割を占めた。検索作業に平均5分前後の時間を費やす状況が組織全体の業務効率の低下を招き、顧客への対応遅延に繋がっているリスクが懸念される。

株式会社シンカ公式プレスリリースより

データの蓄積状況を調べたところ、約8割の企業が「全ての通話を録音している(83.0%)」と回答した。日々膨大化する音声データの保管方法は「クラウドサービス(SaaS)(49.9%)」が最も多かった。ただし、単にクラウド上にファイルを蓄積するだけでは検索性が担保されず、目的のデータへ素早くアクセスできない仕組みが業務活用の大きな壁となっている。

通話録音データの活用目的は「応対品質の向上・オペレーター評価(50.3%)」や「クレームの分析・対策(45.0%)」が上位を占め、新人育成などの「教育・研修(34.5%)」にも利用されていた。今後のAI活用について、約9割の企業が「強く感じる(36.9%)」または「ある程度感じる(55.4%)」と答え、さらなる強化の必要性を認識している。