総務省、公共分野における国産AI実証事業の採択4件発表 兵庫・長崎・静岡で実証へ
総務省は2026年6月8日、「公共分野における信頼できるAIを用いた開発実証事業」の実証事業者の公募結果を発表した。同年4月27日から5月18日まで実施した公募に16件の応募があり、株式会社野村総合研究所を事務局とする審査委員会での採択審査を経て、4件が選定された。
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背景と事業の目的
本事業は、生成AIが今後の社会インフラとして不可欠な存在となることを見据え、経済安全保障上の懸念や日本固有の知識・文化・習慣への対応という課題に対処するために立案されたものである。政府・自治体・企業が信頼して活用できる国内企業開発の生成AIの普及促進を目的とし、地方自治体の事務を対象に特性・適用先・適用方法等の評価・検証を実施する。
採択4事業の概要
Polimill株式会社が代表機関を務める「5市町実環境による国産LLM『PLaMo』評価検証実証」は、兵庫県・姫路市・尼崎市・加西市・加東市・多可町の実環境において、株式会社Preferred Networks(PFN)グループがフルスクラッチで開発した国産大規模言語モデル(LLM)「PLaMo™」の評価・検証を行う。PLaMo™は日本語性能の高さを特長とする国産LLMで、同社が自治体向けに提供する行政AI「QommonsAI(コモンズAI)」にも搭載されている。
大日本印刷株式会社が代表機関を務める「国産生成AIを活用した観光・文化分野向けAIガイド実証事業」は、長崎県を主たる実施地域として、国産生成AIを観光・文化分野のガイド機能に活用する実証を行う。同社はこれまでも、行政文書・文化資産・出版物等のデジタル化の実績と独自のAIソリューションを通じて地域DXを推進してきており、今回はその知見を長崎県での観光・文化領域に応用する。
ソフトバンク株式会社が代表機関を務める「地方自治体の窓口業務における信頼できるAIの開発実証事業」は、静岡県藤枝市を主たる実施地域とする。藤枝市はソフトバンクが全国で初めて包括連携協定を締結した自治体であり、産学官が連携する「藤枝ICTコンソーシアム」を核に先端技術の社会実装を積み重ねてきた実績を持つ。今回の実証では、この連携基盤を活かし、窓口業務を対象とした信頼できるAI活用の検証を進める。
NTTドコモビジネス株式会社(2025年7月1日にNTTコミュニケーションズ株式会社から社名変更)が代表機関を務める「国産LLM『tsuzumi 2』を活用した市民課業務支援サービスの開発実証」は、兵庫県・西宮市を主たる実施地域として実施される。「tsuzumi®」はNTT株式会社の登録商標であり、「tsuzumi 2」はNTT株式会社がフルスクラッチで開発した純国産LLMである。金融・自治体・医療分野の知識を強化した高い日本語性能を備え、1基のGPUで動作する軽量設計が特長で、デジタル庁が整備する政府AI基盤「源内(げんない)」への試験導入対象としても選定されている。