ベテランも含めて未来について話す 島根県のタクシー会社が進めた組織改革

(※本記事は「協働日本」に2024年10月25日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

森山雄宇氏の写真

協働日本で生まれた協働事例を紹介する記事コラム。実際に協働日本とプロジェクトに取り組むパートナー企業の方をお招きし、どのようにプロジェクトを推進しているのか、インタビューを通じてお話を伺っていきます。

今回は、有限会社いやタクシー  代表取締役の森山雄宇氏にお越しいただきました。

有限会社いやタクシーは、1961年創業のタクシー事業を中心とした交通インフラ企業。車が今ほどあまり普及していない頃から、地域の”足”として地域に貢献してきた、いやタクシー。

自家用車が普及して需要が右肩下がりになる中で、2000年頃からは貸切バスや路線など複合的に交通インフラに対応。どうしてもドライバーに負荷のかかってしまう従来のビジネスモデルから脱却し、生産的に無理なく、待遇や働く環境を良くするために自社独自のビジネスモデルを作っていきたいと考えるようになった森山氏。そんな中で協働日本と出会い、協働プロジェクトを通じて、社内改革を進めています。

インタビューを通じて、協働プロジェクトを続けてきたことによる成果、変化や得られた学び、これからの期待と想いについて語って頂きました。

(取材・文=郡司弘明・山根好子)

数人が集まって打ち合わせをしている様子

「幹部育成」の悩みのテーマの背景を整理して行き着いた、組織改革の最初の一歩。

ーー本日はよろしくお願いいたします。まずは協働をスタートしたきっかけについて教えてください。

森山 雄宇氏(以下、森山):はい、よろしくお願いいたします。

協働日本を知ったきっかけは、商工会の指導員をしていた知人からの紹介です。以前から、実態として幹部・管理職がいないことが自社の課題としてあったため、育成していきたいということを相談していたんです。その方がスタートアップ系のコミュニティ事務局をしていることもあり、協働日本の取り組みについてご存知で紹介を受けました。

協働日本の伴走支援は、伴走する中で企業に本質的に必要な考え方をインストールするようなイメージだとお聞きし、今この瞬間も、先を見据えた時にもリソースが足りない課題を抱えている弊社にはぴったりの取り組みではないかと思い、詳しくお話を伺いたいとお返事しました。

その後すぐに協働日本代表の村松さんをご紹介いただいて、メッセンジャーやお電話で丁寧にお話しをしてくださり、疑問点が解消されたことで協働を決めました。

ーー実際に伴走支援がスタートしてからはどのようなプロジェクトを進めているのでしょうか?

森山:プロジェクトとしては、組織改革全般に取り組んでいます。最初の段階ではまず、自社の課題を整理していったのですが、管理人材・幹部・管理職というポストの人材がいないこと以外にも、そもそも社内でのキャリアアップの流れも作れていないことなどが可視化されていきました。

例えば、私が受け持っているミドルマネジメント的な業務も属人化してきており、人に渡せるように仕組み化するべきという課題が見えてきたんです。いわゆる文鎮型で成り立ってしまっている組織なので、このままでは将来的な発展が難しく、改めて適切なポストや人材育成を行う重要性を言語化することができました。

また、社員側の業務についても、生産的にリソースを使えているかを改めて整理したところ、現状の給与体系は歩合の割合も大きく、新しいことに自発的に挑戦しにくい環境であることがわかってきました。

元々将来的には固定給を取り入れていきたいと思っていたので、モチベーション高く仕事をしてもらうために給与体系の変化や、評価制度の策定も必要だという話が持ち上がったんです。

段階を追って1つ1つ着手することになり、まずは人材育成からという方針で進めていく中で、自社の考え方を整理し、評価の軸となるものが必要ということで、パーパスや、ミッション・バリューを言語化していって社内に共有することになりました。

続きは無料会員登録後、ログインしてご覧いただけます。

  • 記事本文残り69%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。