「無限資源」の実現目指すLOOPARTS、エンジェル/シードラウンド1stクローズで資金調達

ルーパーツ株式会社(以下「LOOPARTS」)は、京都大学イノベーションキャピタル株式会社ならびにエンジェル投資家を引受先としたエンジェル/シードラウンドの1stクローズにおける資金調達を完了したことを1月30日に発表した。


東北大学発のスタートアップLOOPARTSは、循環産業の拠点「サーキュラーバレー」を世界中につくり、循環型/無限資源のシステムを構築することを目指して2025年10月に設立された。コア技術は溶融塩分野の権威であり共同創業者でもある東北大学・朱鴻民教授が開発した「UPLOOP」(特許出願中)。アルミニウムをはじめとする重要な金属資源の高純度リサイクルや精錬を、より低い環境負荷で可能にする新しいリサイクル・精錬技術の開発および社会実装に取り組んでいる。

UPLOOPは、独自開発した溶融塩電解装置を用い、アルミニウムと鉄・銅などの合金成分が持つ性質の違いを利用して、これらを効率的に分離するリサイクル技術。アルミニウムを高純度化するだけでなく、これまで不純物として扱われてきたシリコンや銅などの元素も、それぞれ個別に回収することができる。さらに、高純度アルミニウムの製造で一般的に用いられる三層電解法と同等の高い歩留まりを実現しながら、電力消費量を約3分の1に抑えられ、環境負荷を大幅に低減できる。

従来のアルミニウム産業では、リサイクルを重ねることで純度が低下する「ダウングレードリサイクル」が一般的であったが、リサイクル工程において資源の価値を高める「アップグレードリサイクル」を実現する。

また、同技術を用いることで、地金ではなくアルミニウムスクラップを原料として、4N(99.99%)以上の高純度アルミニウムを直接生産することも可能になる。LOOPARTSでは、アルミニウム以外の重要鉱物についても同技術を応用したプロジェクトの実証を進めている。

LOOPARTSは同技術に関して、設立に先立って2025年7月より東北大学のラボスケールでの実証を開始、技術コンセプトの有効性を確認済で、現在は工業化に向けたベンチスケールαの設計段階へ移行している。本スケールは従来のラボスケールと比べて約20倍の規模となる。同実証を年末ごろまでに完了させたうえで、ベンチスケールαの約10倍相当、工業化を想定した規模のベンチスケールβによる検証を行う計画で、2028年後半以降の工業化を目指す方針だ。循環型金属産業の中核を担うべき同社の技術の卓越性と、社会実装に向けた推進力に、期待が寄せられている。