三重 広島市のバイオマス発電所へ小型CO2回収装置を受注、商用初

三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(横浜市西区)は、プラント建設・保守などを手掛ける太平電業(東京都千代田区)から、同社が有するバイオマス発電所向けの小型二酸化炭素回収装置を受注した。2021年12月1日に発表した。1日あたり0.3トンを回収することができるもので、商用としては初めての受注となる。

太平電業は循環型社会の実現に向け、バイオマス発電により発生した二酸化炭素を分離、回収したあとに一旦貯蔵し、それを農作物の育成などに利用することで、カーボンニュートラルからカーボンネガティブソリューションを実現することを目指している。今回の二酸化炭素回収装置導入はこの取り組みの一環。同社が広島市の複合機能都市「ひろしま西風新都」に有する出力7000kW級のバイオマス発電所での利用が計画されている。

この装置は、バイオマス燃焼排ガス源から二酸化炭素を回収する検証用の試験機がベースになっていて、短期間で実装できる。設置に必要な敷地面積は全長5m×全幅2mと小型で、工場からトラックで輸送でき、設置も容易だ。汎用性の高い設計標準化により導入・運転・維持コストの低減と納期短縮、量産化を可能とするモジュラー型を採用している。これにより、産業分野など比較的小規模な施設における二酸化炭素排出量削減のニーズに広く対応できる。

三菱重工では、今回の受注を契機に、電力・産業分野をはじめとする、世界中のあらゆる分野における脱炭素化を促進するとともにカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく考えだ。

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