つくば市 MaaS4事業を展開、2027年度にバスで自動運転レベル4目指す

つくば市は、スーパーシティ構想の重点施策として推進する「つくばスマートモビリティ」事業の途中経過を、2026年1月13日に報道陣向けに発表した。同市では現在、4つの新しいモビリティサービスの実証を進めている。つくば市長の五十嵐立青氏は「持続可能な公共交通をどう作るかは、自治体が本気で取り組まなければならない喫緊の課題」と述べ、複数のモビリティサービスをシームレスに連携させる将来構想を示した。

1987年に市制が施行され誕生したつくば市は、当時の先端的な都市計画に基づき、自動車で快適に移動できる都市として発展してきた。その結果、移動手段の63%を自家用車が占めるようになり、周縁部では80%を超えるエリアもある。しかし、高齢者と共働きの子育て世代の増加を受け、自動車を自分で運転できない人の交通ニーズを満たす必要が出てきた。つくば市ではコミュニティバス「つくバス」の導入などでこれに対処してきたが、2024年4月のドライバーの残業規制強化により人手不足が深刻化しており、減便を実施せざるを得ない状況だ。

そこでこの課題を解決すべく、デジタル技術を活用したスマートモビリティの導入を加速することとなった。つくば市は2022年4月に「スーパーシティ型国家戦略特区」に採択され、先端的な技術とサービスの実証実験を実施(月刊事業構想2022年7月号参照)。特に2025年度からは「実証から実装へ」のフェーズ転換を明確に打ち出している。

現在、つくば市において実証を実施しているのは4事業。パーソナルモビリティシェアリング「つくモビ」は、時速6キロメートルで走行する立乗型モビリティ「Striemo」を、つくば駅周辺3カ所のポートから24時間アプリで借し出すサービスだ。歩道走行が可能でヘルメット不要という特性を活かし、ラストワンマイルの移動手段としての利用を想定する。実証事業は2月28日までで、無料で利用できる。

「こどもMaaS」は、共働き世帯の子どもの利用を想定した低速自動運転モビリティ。東海クラリオンの「YADOCAR-iドライブ」(月刊事業構想2024年5月号参照)による、子ども・保護者の移動の実現可能性を調査する事業を進める。つくば市中心市街の活性化に取り組む地域企業のつくばまちなかデザインも事業に参画している。JAXAの高精度単独測位システムによる3次元都市モデルを活用し、車体に後付する装置により、低コストながら高精度な自動運転を実現する。2025年11月にも運行を実施したが、太陽フレアの影響で軽い接触事故を起こしたため、防止措置を施したうえで1月15日~26日までの運行を予定している。

「自動運転バス」は、つくば駅と筑波大学を結ぶ約50分のルートで1月23日まで実証を実施中。KDDIや関東鉄道、ティアフォーなどが参画し、これまでの乗車率95.9%と高い住民受容性を達成している。現在は自動運転レベル2(運転手が必要だが、ハンズオフ可)で、2027年度にはレベル4(運転手不要)への移行を目指す。

「ハンズフリーチケッティング」 は、日立製作所が開発した後払い型の統合決済システム。スマホアプリと、市内約600台のビーコンにより乗物の乗降を自動検知する。つくばエクスプレスや関東鉄道・つくバスのバス、レンタサイクルや筑波山ケーブル・ロープウェイ、近隣の観光施設・ホテル・小売・飲食店の利用状況に応じて割引を提供し、公共交通機関による地域周遊を促進したい考えだ。こちらの実証は12月~1月末までで、200人ほどがアプリを利用しており、消費額は50万円に達しているという。

つくば駅周辺でホテル・施設を運営する大和ハウスリアリティマネジメントは、2025年11月につくば市に対し300万円の企業版ふるさと納税を実施、これらの実証事業を支援している。

続きは無料会員登録後、ログインしてご覧いただけます。

  • 記事本文残り0%