鹿児島発・焼酎産業の副産物を未来の資源へ 「CASパワー」が示す成長戦略

(※本記事は「協働日本」に2025年8月25日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

株式会社栄電社

協働日本で生まれた協働事例を紹介する記事コラム「STORY」。
実際に協働日本とプロジェクトに取り組むパートナー企業の方をお招きし、どのようにプロジェクトを推進しているのか、インタビューを通じてお話を伺っていきます。

今回は、株式会社栄電社の川路氏・坂口氏にお越しいただきました。株式会社栄電社は鹿児島県に本社を構え、計測・制御・情報通信機器などの分野で幅広く事業を展開しています。

その中で、地元の焼酎産業と密接に関わる中、焼酎製造過程で大量に発生する「焼酎粕」の活用に新たな可能性を見出しました。

インタビューでは、協働日本との取り組みを通じて見えてきた地域資源の価値と、「焼酎粕」を乳酸発酵させた商品「CAS(カス)パワー」の事業展開に向けた思いを語っていただきました。

(取材・文=郡司弘明・山根好子)

焼酎を造る過程で生まれる「焼酎粕」
焼酎を造る過程で生まれる「焼酎粕」

地域資源としての「焼酎粕」プロジェクトの商品化へ

ーー本日はよろしくお願いいたします。まずは、協働日本との出会いについて教えてください。

川路 博文氏(以下、川路): よろしくお願いいたします。協働日本との出会いは、2022年9月に県の支援事業に応募したことがきっかけです。事業が無事採択され、協働日本さんによる伴走支援がスタートしました。それから2025年1月までの約2年半にわたり、継続的に支援を受けてきました。

坂口 研三氏(以下、坂口): 弊社は計測機器や制御システムを手掛ける会社ですが、焼酎メーカーさんともお付き合いがあります。その中で、焼酎を造る際に大量に出る「焼酎粕」という副産物の存在を以前から知っていました。

焼酎粕は、蒸留後の液体や固形物が混ざったもので独特の香りや栄養分を多く含みます。従来は家畜の飼料や肥料として利用されてきましたが、需要減少や処理コストの増大により、焼酎メーカーにとっては負担となっているのが現状です。

「毎年大量に出る未利用の焼酎粕を何とか活用できないか」ということで、2017年からこの焼酎粕を活用するプロジェクトを開始しました。2019年には経産省の事業認定を受け本格的に事業化に取り組んでいたのですが、私たちには商品化や販路拡大といったテーマにおける経験がなかったので、ちょうど県の支援事業でアドバイスがもらえるのならと応募しました。

川路: 最初は、「伴走支援」という仕組みについてもあまりピンときていなかったのですが、何度か協働プロとの打ち合わせを重ねていくうちに、弊社の事業にはぴったりの支援の形だと感じるようになりました。

焼酎粕から生まれた「CASパワー」は、生物や植物の成長促進に寄与する機能性飼料
焼酎粕から生まれた「CASパワー」は、生物や植物の成長促進に寄与する機能性飼料

年単位のテストマーケティングと調査を通じて出た成果から、商品化、有償販売のスタートへ

ーー実際にプロジェクトがスタートしてからは、どのように取り組みが進んだのかお聞かせいただけますか?

川路: はい、一番最初は商品化するための課題の洗い出しからスタートしました。商品化の方向性の検討やターゲットの絞り込み、販売方法のアドバイスなど、段階を追って協働プロにアドバイスをいただきながらプロジェクトを進めていきました。協働チームには、協働日本CSOの藤村昌平さん、横町暢洋さんを始め、2年半の間で様々なプロ人材の皆さんに入っていただきました。

坂口: 商品化の方向性の中では価格設定を決めることや、ターゲットへのアプローチ方法を考えることは特に難しかったですね。これまで私たちは営業やマーケティングといったことを経験したことがなかったので、漠然としていた考えを、協働プロの皆さんとの会話を通じて整理していただきました。

ーープロジェクトを進める中で、テストマーケティングや調査も進めていったのでしょうか?

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