QPS研究所、小型SAR衛星14号機「ヤチホコ-Ⅰ」を11月6日に打上げへ
小型SAR衛星の開発・運用を行うQPS研究所(福岡市)は、小型SAR衛星14号機「ヤチホコ-Ⅰ」を、日本時間の2025年11月6日午前4時45分以降に打ち上げ予定であることを10月21日に発表した。ニュージーランド・マヒア半島から、米Rocket Lab社のElectronロケットにて衛星軌道に投入する。
今回の打上は同社とRocket Lab社との11機分の打上げ契約のうちの5回目で、QPS研究所の専用ロケットとして中傾斜軌道の高度575kmに投入される予定だ。
SAR(合成開口レーダー)は電波を使用して地表の画像を得るレーダーで、雲や噴煙を透過し昼夜を問わず地表を観測できるのが特徴だ。QPS-SAR衛星は、QPS研究所が開発した収納性が高く軽量な展開式アンテナにより、従来のSAR衛星の20分の1の質量を実現、製造・運用コストも大幅に抑制した。民間SAR衛星で世界トップレベルの高精細な画像取得が可能だ。今回の14号機「ヤチホコ-Ⅰ」は新たな傾斜軌道に投入される1機目となる。
今回の打上のミッション名は「The Nation God Navigates(国造りの神が導く)」と名付けた。 愛称のヤチホコは国造りの神として古来より崇敬を集めた神の名前から取ったという。
QPS研究所は2005年に福岡で創業し、九州大学が開発した小型人工衛星技術をベースに、北部九州を中心とする全国25社以上のパートナー企業と連携して技術開発を行っている(月刊事業構想2019年4月号参照)。同社は2028年5月末までに24機の小型SAR衛星の打上を計画。最終的には36機の衛星コンステレーションを構築し、平均10分間隔という準リアルタイム観測データを提供するサービスの実現を目指している。