天地人 衛星データを活用アイデアコンテストで優勝、日本企業で初

天地人(東京都港区、月刊事業構想2021年8月号参照)は、グローバルな課題解決を目指すビジネスマッチング・コンテスト「Gravity Challenge」で、土壌の保護と荒廃した土地の再生という課題に対してソリューションを提案し、日本企業で初めて優勝した。2021年10月14日に発表した。

Gravity Challengeは、世界の大手企業が提示した課題に対し、宇宙ベンチャーが自社のソリューションを活用したアイデアを提案する機会を提供するプログラム。今回、12社の大手企業が1つずつ課題(チャレンジ)を出し、各国の宇宙ベンチャーがその解決策を提案した。

天地人は、イギリスの果樹栽培企業Bardsley社と、その関連企業で炭素排出量取引のプラットフォーム企業Bx社の「炭素排出量削減に向けて土の健康を維持し、荒廃した土地を再生する事業」に対してソリューションを提案、優勝した。衛星データを用いた土地評価エンジン「天地人コンパス」を使って、土地の気候や土壌に合い、最も炭素を土の中に固着する可能性のある植物を提案するというもので、プロトタイプを作成済みだ。

Bx社は、保有する炭素取引プラットフォーム上でこの仕組みを活用できる。また、今回のチャレンジで評価さえたのは、天地人の提案が世界中の土地に拡大可能な点。世界の果樹農家がこれを利用すれば、大規模な炭素排出削減も期待でき、農家にとっては収穫量の増加や採算性の向上が見込めるなどのメリットもある。天地人は今後、Bardsley社、Bx社と実際のソリューション開発に取り組む。