【10月9日古川俊治デジタル大臣会見要旨】事業者にアクセス制御や不要な個人データ消去を呼びかけ

古川俊治デジタル大臣は2026年10月9日、記者会見を開いた。東京理科大学の硤合憲三(そあい・けんそう)名誉教授のノーベル化学賞受賞に祝意を表したほか、相次ぐ不正アクセスによる個人情報の流出を受け、事業者に対策の強化を求める注意喚起を出すと発表した。

硤合名誉教授の受賞に祝意

古川大臣は科学技術政策担当大臣として、本年のノーベル化学賞を硤合憲三名誉教授が受賞することに祝意を表したと話した。10月7日の夜には、硤合氏に電話で直接お祝いを伝えたという。硤合氏は、反応でできた物質そのものが触媒となって同じ反応を促す「不斉自己触媒反応」の研究で知られ、政府は科学研究費助成事業(科研費)などで支援してきた。大臣はこの研究を、医薬品などの有用な化合物を選択的に合成する技術に役立つだけでなく、生命の起源に関わる問いの解明にもつながるものだと評価した。

質疑では、基礎研究が国民の支持を得るための取り組みを問われた。大臣は、若手研究者が腰を据えて研究できる環境を長期的に支えることが重要だとの考えを示した。そのうえで、研究には税金が使われているため、成果が将来の社会や国民生活をどう変えうるのかを、研究者自身が分かりやすく発信してほしいと語った。

日英で科学技術協力の強化へ

大臣は同日、第13回日英科学技術協力合同委員会に、英国のクリス・マクドナルド科学・イノベーション・投資担当大臣、関芳弘文部科学大臣とともに出席する予定だと明らかにした。前日の会談では、大臣が日本のAIガバナンスや重要技術の育成に向けた取り組みを説明し、マクドナルド大臣は信頼できるパートナーとして協力を発展させたいと応じたという。

委託先も含めた対策の徹底を要請

サイバー安全保障担当大臣としては、相次ぐ個人情報の流出への対応を報告した。10月8日の関係府省庁による会議を踏まえ、内閣官房国家サイバー統括室は10月9日、「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた対応について」と題する注意喚起を公表している。

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大臣は、迅速な脆弱性対策、多要素認証などによる認証機能の強化、漏えいした情報の悪用を防ぐ対策を挙げ、委託先も含めて対策を強めるよう求めた。注意喚起は同室が各省から集めた情報をもとに発出し、各省が業種に応じて事業者に伝えるという。

個人情報保護委員会も10月7日、「大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について(注意喚起)」を公表し、不正アクセス対策に関する既存の注意喚起も改訂した。大臣は、情報システムへのアクセス制御や不要になった個人データの消去などに取り組むよう、事業者に呼びかけた。

基幹インフラ以外の事業者にも対策求める

質疑では、基幹インフラに近い企業にも被害が広がるなか、サイバー対処能力強化法に基づく報告義務などの対象を広げる考えはあるかと問われた。大臣は、基幹インフラ以外の重要インフラ事業者も攻撃を受けていることを認め、こうした事業者にも委託先を含めた対策の徹底を求めたいと述べた。制度の対象拡大には触れなかった。攻撃へのAI悪用の可能性については、事案の解明が進んでおらず、AIが使われたかどうかも含めて検討を続けている段階だという。

古川大臣は基礎研究を長期的に支える姿勢を強調し、相次ぐ不正アクセスには政府一丸で対応する考えを示した。

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